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登山家-田部井淳子氏の愛した温泉

猪苗代沼尻温泉–、沼尻高原ロッジ

もう何年経っただろうか、安達太良山だろうか磐梯山登山だっただろうか
記憶もあやふやになっているとある年、
初めてこのロッジを訪れたのは、まだ田部井氏が存命だった時でした。

やや年季の入ったロッジは、沼尻高原スキー場の目の前という好立地で
スキーシーズンには随分とにぎわうのだろうなあと感じたが
暑い夏の日、ゲレンデは夏草が生い茂ってスキーシーズンの賑わいは想像しずらかった。

控えめな温泉地なので、知る人ぞ知る雰囲気でほんの数件のお宿で成り立っている。
ところがその湧出量は、単一の源泉としては日本一の毎分13,400ℓ
あの玉川温泉が単一の源泉として湧出量日本一だろうと思っていたらこちらのがはるかに多かった。
源泉は安達太良山の噴火口近くや谷間から湧出した硫黄泉で
PH1.9~2.1 温度71.8℃
源泉は安達太良山(沼尻コース)の登山道からも見渡すことができる。

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※YAMAKEI ONLINEよりお借りしました

この風景は、玉川温泉に流れ込む焼山から叫沢の風景に瓜二つ

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ピリッとした強酸性泉と思いきや、谷間を渡ってきた温泉は適度にこなれてやさしい肌触り、当時、竹筒からサラサラと湯舟にかけ流される温泉は
白濁して湯の花がたっぷりだった。

数年後、再び訪れた沼尻高原ロッジは田部井氏の訃報とともに閉鎖されていた。とてもいいお湯だったのに、あのサラサラとした竹筒からのお湯がもう味わえないのかと、ひどく寂しかった。

その時は、近くの田村屋旅館さんの日帰り温泉に浸かった。
こちらも内湯、露天の気持ちのいいお湯だった。
東日本大震災の爪後も未だ深く、入口の柱に亀裂が入っていたのが痛々しく
直さずにこのまま止めてしまうのだろうかと危惧していたが
どっこい今も立派に営業中でした。

先日何気なく沼尻温泉を調べていたら、沼尻高原ロッジが会津芦ノ牧温泉の「大川荘」の手によってリニューアルされ再開されていたことを知ります。
田部井氏の遺志を受け継ぐロッジの再開に頼もしくもあり、今この時期も厳しさもあるでしょうが、この先もまた繋がっていくことを念じてやみません。

※トップ温泉の写真は沼尻高原ロッジHPよりお借りしました


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