2023.7~8月東北旅行-5日目
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まだ雨の残る不忘閣を後にした。
知らぬ土地、知らぬ道を走ると旅の気分と同時にどこにでもあるありふれた街の風景にも安心と倦怠も感じる。
仙台を通り抜けいよいよ南三陸の街に入る。あれから12年、ああ兎年の年回りだったのだなあとしみじみと感じる。
当時、長男は仙台にある大学に通っており卒業の年だった。
明日に新たな勤務先に荷物の発送を控えたその日、地面から突き上げる大きな揺れになすすべはなかった(のだと思う)
未曽有の被害に若林区にある日通には全く連絡は取れないし、それどころか我家にさえも連絡はつかなかった。
卒業式もなく引っ越しの荷物は結局1ヶ月後になんとか発送できた。
勤務先の配慮でその1ヶ月間の生活道具を無償で借りることができ本当にありがたかった。
南三陸は道路整備も整い、巨大な堰堤も完成していた。
ピカピカな街には、ただ人の気配は少なかった。。。
神割崎は美しい風景に変わりなく、未曽有の災害の片鱗は微塵もない。
キャンプ場もよく整備されていて美しい芝が広がる。
海は青く木々は溢れる緑でお日様はさんさんと輝く。夏の一角を切り取ったいつか思い出になる風景。。。
文章を書いていると、時折感傷に浸ってしまう時がある。
それは今年の干支である兎年に起因しているのかもしれない。
一昨年亡くなった父の干支であり、東日本大震災の年であり、死者を祀る霊山である月山神社の卯歳御縁年に当たる年だったせいもあるのかもしれない。。。
日陰で涼しい良い場所を見つけてテントを張った。
キャンプでの一番大切なことと言ったら、フリーサイトで居心地の良い場所を見つけること。その為お互いの居心地の良さにいつも多少のずれがある為、ちょっとした争いにはなる。今回は二人の意見が一致した。
テントを張ったら後はやることといったらそうはない。
ビールをプシュッと開け、涼風に吹かれて風景を楽しむ。そしてお昼寝。
そろそろ夕食の支度を始めましょう。
あまり食欲もなかったので、モロッコいんげんとマイタケのニンニク炒め、明太子ご飯、ちくわきゅうりで簡単に済ます。
食事をしていると、野良猫がそろりそろりとやってくる。
いつもキャンパーにご飯をねだっているというよりは、もう空腹で耐えられないのですという風情。一番塩分の少ないのはちくわしかなくて、私のちくわは全部この子にあげた。賛否はあるのだろうけどどうしても無視することができないのだ。
海から天の川が立ち上がった。今年初めて久しぶりに見る天の川だった。
流れ星もいくつか。
遠くの波の音を聞きながらいつしか寝入った。
7月21日(金) 晴れ
つづく
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