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常識を覆された温泉のお話

稲子湯

八ヶ岳東面、木々に囲まれた標高1500mにその温泉はあります。
ここから登山道をさらに3時間歩けば、日本一高所にある露天風呂、本沢温泉もあります。
道すがらからは硫黄岳の爆裂火口も望めて、生きているお山の山懐に抱かれているような温泉です。

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みどり池より硫黄岳

4月下旬から11月いっぱいまでは小海線、小海駅より町営バスも通っているので、登山者にもこの温泉を訪れる人にも、中々アクセスのいい所です。
私達はマイカーで向かいます。
最近までの暖冬の影響でまだまだ路面凍結もしていないのでよかった。

稲子湯のバス停では登山者が1人バス待ちです。
大きなザックを背負って、登山帰りかな温泉も入ったかしら?
かつてここから硫黄岳に登ったことも懐かしい思い出。
シラビソの森はどことなくヨーロッパの黒い森を彷彿とさせて、ブナと並んで好きな森。グリム童話の世界にはいったようでしょ。

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温泉の入口に立つと、そこはなつかしい山小屋風な佇まいで、玄関でスリッパに履き替えて受付します。

この旅館は映画「岳」の舞台にもなりました。

男湯、女湯ともに内風呂が一つ
シャワーはなくカランから適温なお湯が出ます。リンスインシャンプー、ボディソープあり。身体を洗って、さて湯船に浸かりますよ。

あちちち

45℃位あるんじゃないかって位熱いです。いやもっと熱いかも。
説明ではバルブの水?でうめるように書いてあったので
温泉薄まりませんようにと、必要最小限にうめます。

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やっと適温になって、ゆったりとお湯に浸かります。

いい湯だなあ~

泉質は二酸化炭素硫黄冷鉱泉
めずらしい取り合わせの温泉みたいです。
鉄分もあるので、湯船とお湯もやや茶褐色に染まっています。
かすかに硫黄の香りと金気も感じて、口に含むとややすっぱいです。
湯の華は鉄分の影響か茶色で、あまり美しいとは言えません。

水でうめた時に炭酸の泡がすごいのでおかしいなあとは思ったんですよね。
写真で見るとわかるんですけど、水は洗い場にオーバーフローしてるんですが、温泉成分で白く石灰化してるんですね。
ここでやっと納得です。低温の冷鉱泉が源泉で、
熱い方が源泉を加熱しているものだったんですね。

つまり、水ではなく源泉なので、いくらうめても温泉成分はうすまらないんですね。

一般的な温泉は、加水して湯温を下げているのが多いですが、
ここでは、冷たい源泉で湯温を下げているという、真逆の発想でした。
これも温泉を薄めない知恵ですね。

気持ちの良い温泉にじっくりと浸かって、体はぽかぽかです。
PH4.9の酸性なので、古い角質をとかしてくれてお肌はツルツルになりますが、その後は保湿成分の補給も忘れずにです。

温泉:★★★★★
入浴時間:?特にHPとかにも書いてないので、常識的な時間で
料金:¥650



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