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短編

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#ホラー小説

お手つき

お手つき

 まだ梅雨の明けない、湿度が不快感を呼び起こす夜。
 インターフォンが鳴り、お届け物ですと配達員の声。

 特に何も頼んではいなかった筈なのに……と思いつつも受け取った。差出人の欄には、もう何年も前に別れた女の名。

(……おかしいな)

 女は、確か半月ほど前に死んだと聞いた……勿論、死に顔を見た訳じゃないが。
 しかし住所は確かに、彼女の実家のものだ。

 何かのいたずらか、それとも……。

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