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東京編・翻弄される田舎者

東南アジアの物価はもう安くない。
むしろ、日本が安い国になってしまった。

度々、ネットでそんな話題を目にするようになった。

物価上昇に加えて日銀が為替に介入するほどの円安。更に燃油サーチャージ高騰。

東南アジア旅行が激安というのはもう幻想となりつつある。

貧乏人でも気軽に海外旅行できる今の世はどんどん遠くなる。手が届かなくなる前に遊びに行かねば。今ならまだ間に合う。
わたあめは東南アジアに発つ決意をした。

2019年大晦日のタイ・バンコク

目的地はマレーシア。前回はタイに行ったので今度はその隣のマレーシアを訪れてみる。
札幌→東京→シンガポール→マレーシアと経由して訪れることに。めんどくさい旅程である。
期間は9月18日~10月27日、39泊40泊というわたあめ史上最大の旅である。

予算はたったの20万円ほど。もう海外旅行は慣れっこなので無駄金つかうことなくスマート&エコノミーにトラベルできるはず。

何故そんなに休みが取れるかって?無職になったからである。
帰国後はどうしよう…と考えても精神衛生上良くないので、今日の晩飯より将来のことは考えないようにする。

ともかく旅立ち。早朝に新千歳空港までバスへ向かう。数年ぶりの海外旅行、ワクワクが止まらないぜ!と言いたいところだが、

「なんか忘れ物してないかな…大丈夫かな……何度も確認したんだけどな…」

と不安に包まれながらの旅立ちであった。

わたあめは旅行すると大体何かしら忘れ物をしている。

しっかりしている人なら持ち物チェックリストみたいなのを用意するんだろうが、わたあめはチェックリストを作る段階で必要な物を記載し忘れる大ボケなので救いようがない。

案の定、色々忘れ物をしていた。爪切りとか細かいもの色々。まあ現地で調達すればいい。東南アジアは物価が安いんだからな。一個5円くらいで売ってたりするだろ。


いざ東京へ。
今日は東京で一泊し、翌朝に成田空港から海外へ飛ぶ。


午前中に成田空港に到着。
今日は地下鉄1日券で軽く観光予定。
わたあめは東京2度目だが、初めて訪れた時の記憶はほぼない。池袋駅で迷子になったくらいしか覚えてない。なので実質初東京である。

新宿とか渋谷とかを歩いて存分に都会っぷりを堪能してみたい。
あと中野ブロードウェイと秋葉原の電気街にも寄ってみたい。1日でどれくらい周れるかな。

船橋って東京の一部だと思ったら千葉なのね

空港から電車で船橋へ。
地下鉄1日券を買うので、ここから東京メトロ西船橋駅まで歩けば空港~東京間の交通費が750円でおさまる。

わたあめって旅上手やなぁと自惚れながら船橋に降り立つと、めっちゃ豪快に雨が降っていた。ハイパワーと評判の台風14号はまだ到来してないのに。

仕方なく西船橋まで電車移動。この雨だとろくに観光できないんじゃね?てか明日台風直撃するよね?飛行機飛ぶのか?

幸先悪いなーと思いながら西船橋の改札を通ろうとするとなぜかエラーで通過できない。

なんだこれ?と困惑してると、駅員が「地下鉄に乗り継ぐなら券売機で精算した後に地下鉄用の切符を買って改札を通過しやがれカッペ」と教えてくれた。
この改札機は地下鉄用のかよ。何で地上駅の改札と同じエリアにあるんだよ。田舎者にわかるわけねえじゃん。

ていうか東京は路線図からして迷路みたいで吐き気がしてくる。なんか図によって全然形違うし。都会の人たちはよく適応できてるよな。

あくまで精算機だってのはわかるけども。

んで、地下鉄の券売機へ。1日券購入ボタンがなくて再び詰んだ。
1日券は改札から出た先にある別の券売機で取り扱ってるらしい。

何でここの券売機では売ってないんだよ。何も知らない田舎者を笑うために敢えて複雑にしてるようにしか思えない。

札幌も十分に都会だと思っていたが、ガチ都会に降り立って格差を思い知らされた。
ていうか、なんかバンコクよりもカオス。発展途上国の都会よりヤバイ。
東京でこれならマンハッタンとかどんな感じなんだろ。

苦難の末に1日券を購入。東京メトロと都営地下鉄の選択肢があって「え、地下鉄の路線って二種類あんの?都営じゃない方は何営なん?」と更に困惑し、安い東京メトロ路線の1日券にした。

地下鉄駅なのに地上やん、真駒内駅みたいだと思いながら乗車。東京メトロは地上に出たり潜ったりとなんか忙しない。

気づけばスマホのバッテリーがやばくなってきたので、先に宿に向かうことにした。

今日泊まるのは山谷のドヤ街。
一泊2500円、東京では破格じゃないだろうか。
このドヤ街は西成のあいりんに負けず面白いものが多いらしいのだが、豪雨で街歩きする余裕はなく。

雨の勢いが増していく中、ずぶ濡れで宿に到着した。ドヤだから暗い雰囲気を想像していたが、とても暖かみのある感じの良いオーナー夫妻に迎えられた。

年のせいか、四回も大浴場の説明をされたのちに入室。

結構独特なフレグランスのする部屋だが、冷暖房テレビ付きで不満はなし。


思ったほど悪くないなとネットで写真をあげたら「地獄」だとか「独房」と言われた。

おいおい、これからわたあめは東南アジアの激安ゲストハウスに滞在するんだぜ?向こうの宿はきっと、ここが天国に感じるくらいヤバいはずだぜ。

荷物を置いて、スマホを充電…しようと試みたら、できない。
充電器を壁からはずすと、充電器のアダプターから水がこぼれ落ちるのが見えた。

やっちまった…。

アダプターを振ってみるとかなり浸水してるようで、中から水が跳ねまくった。

おそらくアダプターはもうダメになってしまっただろう。買いに行かねば。

雨の勢いが弱まるのを待っていると夕方になってしまった。
秋葉原でスマホの充電器を買って、中野ブロードウェイに行って東京観光は終わりかな…。

思い通りに観光ができずため息が漏れる。初日からなんか悪い意味で疲れた。田舎者に東京は重たい。

とりあえず秋葉原へ(スマホのバッテリーなかったんでここから写真なし)。
電気街からヲタクの街を経て今はだいぶ寂れていると聞いたが、田舎モンのわたあめ的には十分栄えていた。

思ってたより電器の街だしヲタクの街。これで寂れたのならアキバ系とやらが闊歩していた全盛期はいかほどだったのか。当時に訪れたかったものだ。

秋葉原の各所でコスプレしたねーちゃん達が突っ立っている。メイドカフェかなんかの客引きだろうか?

ねーちゃんの一人が無数の通行人からキモヲタルックスのわたあめに注目して声をかけてきた。
メイドカフェ好きそうな容姿だけど行ったことないです。

ねーちゃん「こんにちはー、なんたらアイドルのうんたらです!お兄さんアイドル好きですかぁ?」

わたあめ「嫌いです」

ねーちゃん「ありがとうございまぁーす」

疲れてたので、つい塩対応をしてしまった。よく話を聞いとけばnoteのネタになったかもしんないのに。勿体ないことをしてしまった。

そういえば!と、あることに気づく。
マレーシアのコンセントの形はどうなってるのだろうか。

国によってコンセントの形と電圧が異なるので、対応した変換器がないと詰む。

調べてみると、マレーシアのコンセントはBF型というやつらしい。


気がついてよかった。変換器を買い、充電器も500円でゲッツ。これでマレーシアでは何不自由なく生きていける。


その足で中野ブロードウェイを目指す。足が疲れてしんどかったが、まだ全然観光をしていない。
メトロで中野駅まで向かうも、なぜかだいぶ前の駅で折り返していた。豪雨のせいで線路が浸水し、中野駅まで行けないらしい。
がっくし。

じゃあ、どこへ行こうか。もう辺りはだいぶ暗くなっている。

眠くなってきたし、もういいやと宿へ帰還。雨に見舞われるし、充電器壊れるし、中野ブロードウェイに行けないし、

今回の旅行、なんか出鼻くじかれてるな。今後が超不安になってきた。

いいや!
きっと良い出会い、うまい食い物、最高の景色にいっぱい巡りあえるはず。

写真撮るの下手っぴすぎやろ

かつてオーストラリアでは北海道では見られない熱帯雨林の自然と、グレートバリアリーフの美しさに圧倒された。

タイでは南の島で見たサンセットに心打たれ、素晴らしい一期一会がたくさんあった。

海外旅行は毎度、忘れられない素晴らしい記憶になっている。

今回も良い旅になりますように。
そう願い、わたあめは部屋の灯りを消した。

しかし、不安は的中してしまうのだった。
この記事を投稿した10月4日現在、旅費の大半を失ってもがき苦しんでいる。

詳細は続きの記事で。皆様投げ銭でもしてわたあめを救ってください。

つづき
https://note.com/zeikin3/n/n5720d5a1d9a3

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