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契約交渉で使えるテクニックネタ⑦

サクッと使える契約交渉ネタ、今回が最後のネタ紹介となります。

本シリーズでは、法律に詳しくなくてもすぐに使える契約交渉テクニックを紹介してきました。とりあえず本シリーズのテクニックを覚えておくと、いつかどこかで良いことがあるかもしれません。使えるネタはぜひとも使ってみてください😁

それでは最後のネタです。

~「善玉・悪玉」話法~


なにやら小賢しい感溢れるタイトルですが、タイトルほどに小賢しさは感じないと思います。おそらく。

この話法、契約交渉のテクニックのひとつなんですが、このテクニックが素晴らしい点は、誰でも容易に使えるテクニックであるということです。

具体的にどのような場面で使うのかというと、契約相手が提示してきた契約書の内容に対し、“変更してもらいたい内容(条文)があるとき”に使えるテクニックです。

本来であれば、相手方から提示された契約書の内容について、変更してもらいたい箇所をズバッと相手方に要求することができれば、それがなにより理想となります。

しかしながら、契約交渉に慣れていない場合、相手方に変更を求めるのは気が引ける…そのような理由から、契約内容に不安や不満がありながらもその内容をそのまま受け入れてしまう。そんな契約実務のあるある問題が普通に存在していたりします。

契約内容の不安や不満、それが些末なものであれば目を瞑ることも可能でしょう。しかし、それが些末なものでなければ・・・目を開けることができなくなるかもしれません(怖)。これはなんとかしなければなりません。

そこで、視界良好な契約に近づけるよう、気が重い契約交渉を何とか乗り切るために、「善玉・悪玉」話法のテクニックを使ってみましょうということになります。

「善玉・悪玉」話法、その方法は単純です。


まずは、契約相手方とのやり取りの中に、「弊社の社員」または「弊社の顧問の先生(弁護士等)」などの関係者を登場させます

そして次に、その関係者の意見を引き合いに出し、その関係者が「この部分は変更してもらわないといけない」と言っているため、契約内容を変更してもらいたい、そのように交渉をするテクニックです。

つまり、自分(善玉)はいいと思って契約相手方に寄り添っているが、関係者(悪玉)がダメだと言っているといったように、善玉と悪玉を作り出す交渉手段となります。小賢しさは否めないw

さらにこのテクニックは目先を乗り切るだけではなく、長い目で見ても有効な手段となります。というのも、契約書を確認できる関係者が自分のバックに存在していることを相手に示すことができるからです。

「契約書をちゃんと見ている」ということが相手に伝われば無茶な契約内容を提示してくる可能性は低くなります。強力な抑止力となることでしょう。

とはいえ、何でもかんでもこちらの言い分を押し付けるために本テクニックを使うのはよろしくありません。契約内容はお互いが有益な状態になっているのが理想だからです。

なにはともあれ、この「善玉・悪玉」話法、自分のビジネスを守るために存分に効果を発揮するテクニックとなりますので、覚えておいて損はない技術といえるでしょう。「いざ」というときに備え、引き出しのひとつとして準備しておきたいところです。

最後に補足として、これは状況によってですが、“契約書の内容を第三者に見てもらった”というニュアンスを契約相手に伝える必要はありません。あくまで、契約書の内容で気になった箇所の考え方について、法律に詳しい身近な人(士業など)からアドバイスをもらったというニュアンスでも十分です。状況により臨機応変に対応したいところです。


ちなみに、本テクニックの登場人物となる「悪玉関係者」について、
その存否は問いません🙃

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