Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【8月17日㈬~8月23日㈫】
依然感染者数は高止まり中ですが、行動制限が出ていないので、花火大会にはドッと人が集まるし、各種イベントは主催する側に感染者が出ない限りは開催されて、日々の暮らしはコロナの影響があるような無いような、非常に複雑怪奇な状況。テレビのニュースを見ていても、前半は「感染者数最多更新で、医療が逼迫」とやっていたかと思えば、後半明るい口調に転じて「3年ぶりに行動制限のない夏休み!」などと観光地の様子をレポートしたりしていて、調子が狂ってしまいます。
海外渡航に関しては、帰国時に72時間以内の陰性証明が必要なので気軽に海外に出かけることも躊躇われていましたが、その陰性証明の提示の義務も間もなく撤廃されるそうです。あれ、先月初旬のイタリアン・スクリーニング出張の際に経験しましたが、結構面倒くさかった、というか、心理的負担が大きかった…。
※ イタリアン・スクリーニングの行われたレッチェのPCR検査+ワクチン 接種会場(私が受けたのはローマですが、朝ラン中に発見した案内板)。
私の場合は、出張前にネットで調べて、現地でサポートしてくれる日本人業者の方を見つけ、その方にPCR検査の予約をお願いし、当日も付き添って頂いたので、イタリア語が出来なくても手続き上の不安はありませんでしたが(サポート料も非常に良心的でした)、「もし陽性だったら…」という不安のほうは想像以上でした。実際に陽性になってしまい、隔離療養期間を経て症状が治まっているのに、再検査してもなかなか陰性に戻らず、長らく帰国出来ない人も多い、と報道されていましたよね。
先月は、帰国当日の朝7時ローマの医療機関に出向いて検査。だいたい6時間で結果が出る、ということで、お昼を食べながら携帯メールを待っていたのですが、メールを開く時はかなりドキドキでした。添付の書類を開けると「negativo」の文字!「ヨカッタ~」と大げさではなく、涙ぐんでしまいました。が、よく見ると名前が違います。一緒に検査を受けた同行の某社社長の名前が書かれているのでした(@_@) それぞれに間違えて添付した?と返信したら、すぐに私の分が送り直されてきました。やはり結果は「negativo」。良かった!でも個人情報、どないなっとんね~ん!という感じですよね(笑)。
帰国の際の陰性証明の提示義務がなくなれば、そんな一喜一憂もしなくて済むことになり、出張のみならず、観光で海外に出かけることも容易になってきます。ただし、対象者は3回のワクチン接種者に限る、ということですし、アジア各国ではビザの発行を義務付けている国もあり、一朝一夕にどこでも自由に行き来、というワケにはいきそうにありません。
そんな状況下において、コロナがなければ秋の映画祭シーズン、出張シーズンの幕開けのタイミングです。ザジでは元々、例年8月末から始まるヴェネチア国際映画祭に参加したことはなく、9月初旬からのトロント国際映画祭も過去に1度参加したことがあるだけなので、今年も敢えて「参加」という選択肢はありません。10月になると釜山国際映画祭もありますが、こちらも私は「1度行ってみたい」と思いつつ未参加。前述のように入国にビザが必要なため、こちらも不参加のつもりです。
※次にパスポートを使うのは、果たしてどこへ行く時なのでしょう?
で、どうしようかと迷っているのが10月にカンヌで行われるMIPCOMというテレビ番組見本市。前にも書いたことがありますが、この見本市はテレビ番組のメインのコンテンツであるアニメ、ドキュメンタリー、テレビドラマの売買がなされる場なのですが、大手の会社はその会社が保有する旧作映画のライブラリーカタログも持ってくるので、うちのようなクラシック作品を上映したりパッケージ化したりする会社にとっても重要なマーケット。こちらはコロナ前の2019年までは毎年参加していたので、復帰するならこの見本市から、という気持ちでいます。
が、しかし…。ここのところ原油価格の高騰や円安のせいもあって航空券代がバカ高なので、どうしたものかと迷っています。コロナ禍の2年半、出張しなくても何とかメールとzoomミーティングだけでやって来たのだから、敢えて何十万もかけて出張する必要はあるのか?と自問自答。しかしながら、実際に現地に出向いて、フェイス・トゥ・フェイスでミーティングし、足で稼ぐ情報が何モノにも勝ることも経験上分かっています。思いがけない作品に巡り合えたりすることもあったり…。悩みます…。
でも、ここだけの話、実はもっとずっと悩ましいことがあるのでした。MIPCOMの開催が10月17日からなので、行くなら16日出発。17、18、19の3日間見本市に参加するのが通常のスケジュールなのですが、出発日の10月16日は東京国際フォーラムで開催される、とあるアーティストの40周年記念のスペシャルライブのチケットをすでに確保しているのです。一生に一度の40周年スペシャルライブ…。と、ここまで読ましておいて、また原田知世さんネタかよ!とムッとした方がいらっしゃらないことを心より願います。
texte de Daisuke SHIMURA
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