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『わたしはダフネ』7/24@岩波ホール フェデリコ・ボンディ監督×主演カロリーナ・ラスパンティさんイベントレポート

現在公開中の『わたしはダフネ』、7/24(土)に岩波ホールにて主演カロリーナ・ラスパンティさんとフェデリコ・ボンディ監督にオンライン登壇頂き、トークイベントを行いました。

カロリーナさんとボンディ監督、当初は2画面に分かれてのオンライン登壇予定だったのですが、当日カロリーナさんのzoomが上手く繋がらず、急遽、監督が機転を利かせカロリーナさんとFacetimeでつないでくれました。
なのでカロリーナさんはボンディ監督のスマートフォンの画面越しでの参加となり、これにはお客様からも思わず笑いと温かな拍手がおこり、和やかな雰囲気でイベントはスタートしました。
以下、一問一答形式で当日の模様をレポートします。


—映画出演のオファーがきたとき、どのように思いましたか?

カロリーナさん:最初にボンディ監督からオファーされたときは、正直何だかよく分かっていませんでした。(笑)
ですが撮影から公開に至るまですべてがとても素晴らしい経験となり、今では
この映画に参加できたことが本当に嬉しく、感謝しています。

—監督はカロリーナさんと初めてお会いした時のことを覚えていますか?

フェデリコ・ボンディ監督:カロリーナさんのご両親から招待を受けて山の上にある彼らのセカンドハウスで初めて会いました。カロリーナさんはもちろんのことご両親もとても魅力的で心惹かれ、お父さんとカロリーナさんのお互いをからかい合う丁々発止のやり取りも印象的でした。二人の関係性がとても良いなと思ったのを覚えています。家族が持つアイロニーにも魅力を感じましたね。
今では私もカロリーナさんと友情を深めることができ、冗談を言い合える関係になれたことを嬉しく思っています。

—思い出深いシーンはありますか?

カロリーナさん:この作品は全編において大好きなので楽しいシーンや感動的なシーンなどいろんなシーンが心に残っています。そのなかでもお父さんを励ますシーンが一番印象に残っていますね。プロの俳優として活躍している父ルイジを演じたアントニオ・ピオヴァネッリさんと仕事ができることがとても嬉しかったし、彼の人柄もとても素晴らしくて終始和やかに撮影ができました。


—スーパーマーケットでダフネがみんなと一緒に働いていることが印象的でした。実際のイタリアでは障がいのある人はどういった形で働いているのでしょうか?

カロリーナさん:イタリアでも色んなケースがありますが私のケースでお話すると、私は仕事をすることをとても自然に受け止めていて、情熱をもって仕事に臨んでいます。手仕事することが好きなのでスーパーでの作業を問題なくやっていますし、同僚たちも私を受け入れてくれています。

—物語の早い段階でお母さんは亡くなってしまいますが、映画全編に母の愛、温かさが流れていると感じました。脚本の段階からそのようなことを考えていたのでしょうか?

ボンディ監督:きちんと映画を見てくださったことが伝わる質問で大変嬉しいです。ありがとうございます。
仰る通り、ダフネが”ダフネ”であることはお母さんの存在が大きいです。そして現実でもカロリーナさんが彼女として存在していることは、両親によるところがとても大きいと思っています。彼らあっての彼女の今です。

色々な家族を見て、
母親は家族の導き手だと思っています。劇中ではその導き手を失ったことによって父と娘の間に緊張感が生まれ、亡くなってしまった母親は「いるんだけどいない、いないんだけどいる」という存在になっています。そしてある時点で、ダフネ自身が母の存在を体現するような存在になっていきます。これは脚本の段階で構想していたことですが、撮影から編集へと段階を踏むことで母の存在を私自身が色濃く感じました。それは編集の途中で自分の母親が亡くなってしまったこともあって、その存在の大きさは自分の中でも自然に出てきたことかなと思っています。

—なぜダウン症のある人を主人公にした作品を撮ろうと思ったのでしょうか?

ボンディ監督:この映画は自分が偶然目にしたあるイメージをもとに着想を得ています。それは車通りの激しい道で、年老いた父親とダウン症のある娘が二人で手を握りあって静かに佇んでいる光景です。その光景はとても強烈にわたしのなかで残り、色々なことを考えました。「彼らはどういう人たちなのか」「母親はどこにいるのか」「どちらがどちらを支えているんだろうか」と。色々興味が沸いて、彼らの生きる世界を知りたいと思ったことが、この映画の原動力となっています。

—また映画に出演される予定はありますか?

ボンディ監督:カロリーナさんの代わりに答えますね。彼女はこう聞かれると、「私はもうこんな映画界なんていうクレイジーな世界はもういいわ、私には仕事もあるし。(笑) この作品でとても素晴らしく楽しい経験をさせてもらったから、思い出は美しいままに取っておきたいの。でももしイケメン俳優との共演する機会があったらやってもいいのよ!」って答えます。(笑)

最後はボンディ監督とカロリーナさんが日本語で「ありがとう」と挨拶をしてくれ、会場からも大きな拍手が二人に送られとても温かな雰囲気のなかイベントは終了しました。
ご来場のみなさま、ありがとうございました!

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『わたしはダフネ』は岩波ホールほか全国順次公開中です。

『わたしはダフネ』劇場情報




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