見出し画像

映画『ハッピー・オールド・イヤー』公開記念 リアル引っ越しドキュメント⑮「返したい物ってこれ?私のだっけ?」

----------------
前回の記事はこちら☞ 連載⑭「迷うな。人の気持ちなど考えるな」
----------------

何でもかんでも考え無しに物を捨てていた『ハッピー・オールド・イヤー』の主人公ジーンは、友だちピンクからプレゼントしてもらったCDを“ゴミ袋行き”にしたのをピンク本人に見つけられて咎められ、気まずい雰囲気になってしまいます。そしてそれをきっかけに「物を捨て過ぎたかも…」と罪悪感にとらわれたジーンは、“借りたままだった品々”を貸してくれた本人に返してまわることを決意し、行脚を始めます。

アクセサリー、LPレコード、かつて家業だった楽器修理のために預かったままになっていた楽器…。今回のセリフ、「返したい物ってこれ?私のだっけ?」はジーンがアクセサリーを友だちに返しに行った際、その友だちから言われる言葉。ジーンは「そうよ。借りた物は返さなきゃ」と答えますが、友だちは「覚えてないなぁ。返さなくてもいいのに」。貸した当の本人には、何の思い入れも無かったようです。

画像2

※“人から借りた物”が次から次へと出てきて、“ジーン途方に暮れる”の図。

今週末から、『ハッピー・オールド・イヤー』上映劇場の新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷を始め各劇場で、各界著名人の方々の映画のご感想をフィーチャーしたコメントチラシの配布が順次始まります。今回は映画のご感想以外に、1)あなたの捨てられないもの、なんですか? 2)借りたまま返してないもの、ありますか?という二つのアンケートも取らして頂き、そのお答えをコメントと一緒に掲載しています。

コメチラぼかし

※これが明日11月21日から配布を開始する予定のコメントチラシ。タイアップキャンペーンの情報も載ってます。どうぞ劇場で手に取ってください!

コメントや1)の答えは、実物のチラシを入手してじっくりお読み頂ければ、と思いますが、2)の答えについては、たとえば映画ライターのよしひろまさみちさんは“ビデオテープ”。「ある方からお借りしたビデオ。連絡先を消失し、返したいけど、返せなくなってしまいました…」とのこと。ライター/東北芸術工科大学芸術学部講師のトミヤマユキコさんは“ジップロックコンテナー”。「実家を出てから、母の手作り料理をコンテナ型のジップロックでもらうことが増えました。ついつい返すのを忘れて、まるで自分のもののように使ってしまっています(お母さんごめんね)」。本を借りたまま、という方も多かったです。“物語”という言葉の通り、物には様々な物語があるのだなぁ、としみじみ感じ入る良いアンケートでした(自画自賛。笑)。

さて。ザジフィルムズの引っ越し断捨離作業中は、明らかに借りたままになってしまっていて、返さないとヤバい!という代物は無かったように思います(書籍に関しては、うちの会社のモノだと思っているけど、実は誰かから借りてそのままになってしまったもの、というのが中にはあるかもしれません…)。が、しかし、ひとつ大物が…。

それが、トップに貼った画像です。これ、何だと思いますか?名称が分からないのですが、35ミリのプリントを右から左へ(左から右へ?)渡す回転盤。本来は編集の際に使用するものなのでしょう。我々は何のために使っていたかというと、配給する映画の宣材物を作るにあたり、スチール写真に良いカットが無い場合、本編の中から使えるコマを選ぶために使用していました。宣伝業界用語でいうところの「抜き」を選ぶためのものです。ルーペで覗いて、ぶれてないカットに付箋を付けてそのコマをデザインに用います。

20年以上前に、当時の宣伝配給スタッフがどこからか借りてきたものですが、今は退社した社員の誰かが、知り合いの誰かから借りてきたのは確かなのですが、その誰が誰かもう分かりません。貸した本人も、貸したことも忘れているかもしれないし、もしかしたら当時「もういらないから、あげる」と伝えていた代物かもしれません。今回の引っ越し断捨離で捨てるワケにもいかず、画像のように新事務所でもオブジェのように飾っています。これを読んで、「それ、俺のだよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をください!

やっぱ借りた物は、お互いに覚えているうちに返さなくちゃダメ!というお話でした。

◆映画『ハッピー・オールド・イヤー』
 公式HP公式Twitter公式Instagram
12/11(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開! 

次回の記事はこちら☞ 連載⑯「最難関は超えた」「あとは楽勝よね」





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?