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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月15日㈬~11月21日㈫】

コロナ禍の真っ只中、映画ファンの皆さんに独立系配給会社を応援して頂くべく立ち上がった「Help!The 映画配給会社」プロジェクトで、配給会社の仕事の内容や、“中の人”を知ってもらうために、各社一斉にnoteを始めてから、早3年半の月日が経ちました。当時、何を書いてよいのか分からず、苦し紛れに“Histoire De Zazie Films”と題して、ザジフィルムズ31年の歴史を振り返る文章を21回にわたって連載したのですが、いまだに過去ログを読んで下さる方もいらっしゃるようで、頑張って書いておいて良かったな、と思っています。

その“Histoire~”の連載18回目のタイトルが「趣味の問題、あるいは、35周年のイラストは誰にお願いしよう?」。配給作品のチラシやポスターのデザインは、個人的な趣味は二の次にして、作品のターゲットに合わせて作り込むので、フラストレーションが溜まりがち。それを解消するために年に1度の年賀状、5年に1度の周年カレンダーは自分の趣味を炸裂させて作っている…というお話でした。その5年に1度のカレンダーが、実はもう来年のカレンダーだったりするワケで、時の経つ速さが年々加速度を増している気がします。タイトル通り3年半前から「次は誰にお願いしよう」と考えていたイラストレーターなのですが、一昨年の暮れ“カール・テオドア・ドライヤー セレクション”のvol.1の開催時に入場者プレゼントとして作成したポストカードのイラストを見て、「この人に頼みたい!」と心に決めたのでした。

私が一目惚れしてしまった『奇跡』に登場する“インガーの娘”をモチーフにしたイラスト

そのイラストは、宣伝担当Hがインスタでたまたま見つけた書籍の装丁が可愛くて「誰だろ?」と調べて行き当たった、という網中いづるさんという方。文芸の挿絵、装画を数多く手がけていて、主な書籍装画の仕事として『完訳クラシック 赤毛のアン』シリーズ(講談社文庫)、新装版『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ(角川書店)、『気付くのが遅すぎて、』酒井順子/著(講談社)シリーズ、『ふくはなにからできてるの?』佐藤哲也/文(福音館書店)他。雑誌『婦人之友』表紙画(2017年〜2018年)や、現在発売中の雑誌『東京人』の表紙イラストも描いていらっしゃいます。ご多忙なのは容易に想像出来るので、お引き受け頂けるかなぁ…と春先にダメ元でコンタクトしたのですが、有難いことに「ぜひ描かせて頂ければ」とすぐにご快諾下さいました。さて、次のステップはどの映画をモチーフに描いて頂くか…。

過去3回の周年カレンダーは、6枚綴りで3枚が過去5年の間に自社で配給した新作映画、3枚がレトロスペクティヴ等で配給した旧作映画、というふうに新旧半分ずつバランスよく並べていました。が、問題は新作映画の場合、私や社員以外の人が見ると「何の映画か分からない」ということ。1年間を共にするカレンダーの、半分の絵が「何だか分からない」のはちょっと申し訳ない気がしていました。不評を買ったワケではないのですが、せっかく作るのだから、もう少しポピュラーなカレンダーとして、その場に馴染んでいて欲しい…。

…ということで、今回は思い切って新作映画(『ハッピー・オールド・イヤー』『MONOS ~猿と呼ばれし者たち~』『三姉妹』等)のイラスト化は諦めて、旧作オンリーで行くことにしました。ここでまた“Histoire~”の連載⑱ 「趣味の問題、あるいは、35周年のイラストは誰にお願いしよう?」に戻ります。その文末はこんな文章で締めくくられています。

こうして周年カレンダーを3つご紹介して、大変なことに気がつきました。クラシック作品と新作、バランス良く並べてきたつもりなのですが、アニエス・ヴァルダ監督作を一度も取り上げていなかった!!ヤバい!ヴァルダさん、35周年には必ず!っていうか、35周年まで会社もたせなきゃ!

“Histoire De Zazie Films”「趣味の問題、あるいは、35周年のイラストは誰にお願いしよう?」

そんなワケで!この度の35年目突入を記念してアニエス・ヴァルダ カレンダーを作成したのであります。表紙はヴァルダさんご本人と愛猫のニニがモチーフ(冒頭のイラストです)。1月2月はタイトルまんまの『冬の旅』、3月4月は柔らかな日差しが印象的な『幸福』、5月6月は初夏のイメージの(実際の撮影も6月)『5時から7時までのクレオ』、7月8月は水辺が涼しげな『ラ・ポワント・クールト』、9月10月は当然『落穂拾い』で、11月12月は年の瀬商店街セール的に『ダゲール街の人々』を配しています。

作成にあたっては、ヴァルダさん亡き後、プロダクションCINE TAMARISを引き継ぎ、同時に映画会社MK2のライブラリー部門も統括している娘のロザリーさんにも許諾を得ていて、すでに画像データをお送りしているのですが、ロザリーさん始め各社のスタッフの皆さん、とても気に入って下さっている、とのことで、日本の祝祭日に沿ったカレンダーですが、クリスマスプレゼント代わりに実物を何部かずつお送りするつもりです。

日頃、お世話になっているお仕事関係の皆様には、年末のご挨拶と共にお渡しに上がりたいと思っておりますので、どうぞ楽しみにお待ち頂ければ幸いです。手渡し出来ない方々には少しずつお送りします。折れないように、上手い梱包方法を考えなければ…。

そして!今回、日頃のご愛顧に感謝して、当通信読者の皆様にも抽選で10名の方にプレゼントさせて頂きます。が、せっかくなのでザジ公式X(旧ツイッター)のフォロワーを増やすためのツールとして使用させて頂ければ幸いです(セコい)。ザジ公式X【35周年オリジナルカレンダープレゼント】の概要をポストしますので、ザジ公式Xをまだフォローされていない方はフォロー&リポスト、すでにフォローして下さっている方はそのポストをリポストしてご応募下さい。あッ!あと当noteのフォローがまだな方も、併せてフォローして頂ければ!(欲張り)締め切りは12月6日㈬の朝10時!!

texte de daisuke SHIMURA




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