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UXデザインのトレンド〜2020's〜

今回のお話

UXとUIは切っても切れない関係にあるかと思っています。
デザインとは一体何なのでしょうか。見た目をきれいにすること?
デザインとは問題解決の技術(アート)だと考えています。

ファッションや音楽にトレンドがあるように、UI/UXデザインにおいてもトレンドはあります。
もちろん、自分の経験から業(スキル)を磨くことも重要ですが、トレンドや歴史(ヒストリー)を知っていることもまた重要なことです。

今回は、この記事を見ながらUXのトレンドについて考えていきましょう。

3行まとめ

①モラルと哲学と透明性を
②バットマンVSスーパーマン
③正しいモノを正しくつくる

①モラルと哲学と透明性を

昨年2019年においては、「フェイクニュース」と言うのが日本でも話題にあがりましたね。顔を切り抜いて他人の顔を当てはめたりなど仲間内のギャグレベルだと楽しいですよね。

ただ例えば自分の顔でモラルに欠けた発言を全世界的に発信されていたらどうでしょうか。
また影響力の高い人が(言っていないのに)差別発言をしていたらどうでしょうか。

かなり悲しい気持ちになるかと思います。
SNSの発展から個人の言動は拡声器のように広がるようになりました。

それはポジティブなことがほとんどですが、コンテクストが切り離されるとものすごく良いことのようにあるいは悪いことのように捉えることができ、情報を「正しく」受け取ること/伝えることが一層難しくもなっています。

デザインという手段でそういった問題を解決する際には、意識しておくべき項目は以下の3つだと思っています。

モラル:自分(他人)がされて嫌なことはしない
哲学:届けたい思いを鮮明に描く
透明性:嘘・偽りなくトレーサビリティを持つ

フェイニュース然り、個人情報の流出然り、様々な問題が持つ一つの共通点に「モラルの欠如」があるかと思います。

もちろんそこには、売上の拡大やなんらかの目標達成など「ポジティブ」な動機があったのでしょう。ただ、行き過ぎたポジティブさは「押し売り」になってしまいます。

「正しさ」(何を持って正しいとするのかは個人のモラルに依存しますが)のアクセル・ブレーキの両側面を担うのが「モラル」であると考えています。

哲学ですが、昨今のD2Cの流行や各SNSのトレンドなど見ていると今も昔も「ストーリー」の力は絶大だなと感じます。
哲学と聞くと、どうも堅苦しく自己の存在理由など解釈が難しい用語に聞こえますよね。

ただ、ここでの哲学の言葉の使い方はあくまで「届けたい思いを鮮明に描く」という信念・信条といった意味です

最後に、透明性は、トレーサビリティと言い換えることもできます。
よく農作物では、パッケージにどこそこの〇〇さんの畑から取れましたとかいてありますよね。それがまさにトレーサビリティ(追跡可能性)です。

そのデザインやサービス・プロダクトが、どんな思いを持ってどんな人がどんな風に作り上げたのかということを知ること・発信することが、人々の共感を捉え、ファンベースで発展していくのではないかなと感じています。

②バットマンVSスーパーマン

いろんな登壇の記事やネットを徘徊していても部署や職制を「越境」してサービス・プロダクトのUI/UXを改善しているケースをよく見ます。

取り上げた記事でも以下のようなことを書いています。

The old stereotype of the "rockstar designer" is (thankfully) going away. As digital teams grow and projects become more complex, designers are being valued by collaboration and team enablement rather than only individual tasks
意訳)崇拝されるデザイナーのような典型例は(ありがたいことに)消え去っていっている。チームやプロジェクトがより複雑化するにつれ、デザイナーは、机に向かってやる仕事より「越境」してチームを活性化していくことで評価されるようになってきています。

これを見て思い出すのが、そうあの映画であります。
映画「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」です。
近年のDC映画最高峰の傑作であり、最強のチーム作りを描くものでもあります。

超人的な能力を持った一個人(スーパーマン)でも課題や問題を解決することはできます。
昨今のような問題を解く能力よりも問題を発見する能力も重要視されてきている時代に、問題解決能力に大特化した一個人よりも多様性のあるチームの方が魅力的とも感じます。

そこでは、自らを律し、立場やできることを「越境」して巻き込んでチームとしての掛け合わせで力を発揮できる人(バットマン)が求められる時代かなと思っています。

一人一人のモラル×哲学の組み合わせが、透明性を生み、マス的ではなく「小さな」声にも多様に問題提起・解決をしていけるのではないかと思っていますし、そうでありたいなと考えています。

③正しいモノを正しくつくる

とれも難しい命題ではあります。正しさというのは個々人の考えの中にあり、一人の正義が絶対ではなく相対性を持った概念だと思います。

そういった中でも、自分たちが「正しい」と思っていることを短期的なKPI達成のためや業績確保といったことで「正しさ」を欠如することなく、届けたい思いを届けたい人たちに適切に届けることがサービス・プロダクトの発展において重要不可欠なことの一つなのではないかと思います。

ミニマリズム、エシカル、サスティナブルなど多様的であり、自分にとって社会にとって嘘・偽りのない長期的な視点が様々な産業で発展してきており、愛されるブランドは昔からそういった活動をしています。

常に使ってくれるユーザーの声に耳を傾け、ユーザーを取り巻く社会環境の変容を素早くキャッチし、その中からトレンドとベーシックな本質をバランスよく織り交ぜていくことが、大局的な「改善」の方法かなと感じます。

水道の栓を開けたり、閉めたりするだけでは水は増えません。
また漏れている穴にテープを貼ったり、無理な導線を増やしてもバケツに水は溜まっていきません。水が上から下に流れるように、定量的な要素と心理的変容のような定性的要素を柔軟に絡み合わせて「全体感」としてサービス・プロダクトを捉える必要があります。

最後に

トレンド紹介の記事を期待されていたとすれば、申し訳ないです。
トレンドとは、周りゆくものであり、いつしかまた戻ってくるものです。

ただ、その中には変わらないモノと変わっていくモノがあり、流れゆくトレンドの中から自分にとって重要だと感じる「教訓」を抽出するというのが、トレンドを知るという作業のように感じます。

そういった意味では、紹介している記事は非常に有益なので是非原文をお読みになられることを期待します。
自分の感性でデザインというトレンドを紐解くというのも楽しい思考の時間かなと思います。

そうはいってもテクニカルに手を動かしていくことももちろん重要です。仕事の中で得た経験と自分の中の考えを振り返って「答え合わせ」するというのも大事な時間かなと。

手を動かしながらたまに立ち止まって考える時間を作りたいですね。
それでは、また。

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