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組織に複利効果をもたらすドキュメント

今回のお話

会社組織において長期的には複利を生み、組織を活性化していくのに、場合によっては優先順位が低く後回しにされるものの代表作は一体何でしょうか。

それは「ドキュメント」です。
WEBサービスやプロダクトを意識はしていますが、仕様書であったり、設計書であったり、Tipsや手順書などなど。

組織において最も良くないことは「属人化」だと思っています。
効率化や省力化をしていくには誰もが再現性をもって取り組める組織が柔軟性高くレジリエンスあるものになるかと思います。

今回はドキュメント文化を取り入れていくことの重要性について考えていきましょう。

まず初めにアーキテクチャありき

ドキュメントは何か。何をドキュメントにするかは各組織において運用上や属人性を排除するのに必要な「情報」をプールしていくということを念頭に考える必要があるかと思います。

その上でまずそのドキュメントというもにどう向き合っていくかという向き合い方のアーキテクチャが大事であると考えています。

サービスの仕様書や設計書などはある程度型が決まっていたり慣れていたりするので各人が持つ効率化の仕組みやサービス運営に感じたものや日々の業務上の気づきなどTips的な効果を持つ情報をドキュメントとして記載していく上で考えなければならないことは以下の3つです。

①書き型
②保守
③管理

①書き型

書き方ではなく書き型としましたが、文章のテンプレートからどういった形式(Word,Googleドキュメント,Dropbox Paper,etc,..)までの一連のセットを考える必要があるということで「型」が大切です。

情報の粒度や質はこの書き型の練度に寄るかと思います。
もちろん書いていって慣れていけば良いだろうという声もあるかと思います。

そういったリーンなドキュメンテーションも良いのかもしれませんが、後述する保守を考えると、おそらく最初から粒度などを決めておいた方が良いのではないかと思います。

粒度と言っても結論や概論から書く、そして経緯を記載しておくなどそういった程度のもので十分だと思います。

②保守

メンテナンスと呼んでも変わりないですが、ドキュメントの更新についてです。ドキュメントについて更新するか否かも大事な分かれ目のように感じます。

ただ個人的にも以下の記事にもあるようにメンテナンスは不要かと思います。

メンテナンスしていて変更点が多すぎて却って新しく作った方が早い方がないでしょうか。

ドキュメントを管理するツールはたくさんあり検索性がわりかし高くなっているためドキュメントの数と質の論理(数を抑えて質を担保するという論理)はあまり重要ではないのかもしれません。

具体的なHowの部分は以下の記事を読んでいただくとしてメンテナンスを置いてまでもドキュメントの意味性についてもここで触れておきましょう。

クライアントワークや事業会社においてもサービスに対する「質問」というのはかなりあるかと思います。

例えば、ここのボタンを押すと〇〇が出てくるけどどういった情報を参照しているのかなどサービスの機能的なこともあれば、この機能ってどういった目的や経緯で作られたんだっけと定性的なものもありますよね。

そういった「質問」に時間を割かれ、思っている以上のリソースを取られることがあります。

ドキュメントがあればそういった「質問」に対するリソースを抑えられることにもなるし新しく参加したメンバーに対してもドキュメントを読んでもらえることでキャッチアップも速くなるというメリットがあります。

ドキュメントが無いせいで休んでいる人に電話をかけ、仕事の進め方や昨日の確認をしている場面を時たまに見かけたり、聞くことがありますがそれはもう休みとは言えません。

働き方や「考える」ことにリソースを割くためにもドキュメントの必要性が高まっています。

③管理

管理というのはGithubやDropbox、GoogleDriveなどどういったツールで管理していくかということも含まれます。

レビューやログ管理などを行うのか、マークダウンかテキスト形式かなど保守にも書き型にも影響するのが管理という観点であります。

ただその管理手法はこれが絶対であるというような正解はなく、各組織の文化であったり目的に応じて使い分けていくべきかなと思います。

正確性が求められるものやあまり変更可能性のないものはGithubなどに代表されるバージョン管理ツールを用いたレビューを通していくことやWikiとして保存していくことが重要でしょう。

一方でただ情報を残しておくというだけなら書いてはGoogleDriveにため込んでいくという考え方もありでしょう。

それはドキュメントの性質により使い分けていくべきなんでしょうと感じます。

最後に

ドキュメント然り組織において最も邪悪なのは「できない人に合わせる」ことだと思っています。

ドキュメントにおいて言うと、マークダウン形式で書きますやGithubなどバージョン管理を使って行いますと言うと難易度が高くて続きはしませんという話が必ず出てきます。

しかし良く考えてみると良くも悪くも人は慣れます。
ガラケーからスマホに変わった時もボタンが無いと打ちにくいとぼやいていた人も今ではおそらくボタンで打ってくださいとなると難しいのでは無いでしょうか。

そのためバージョン管理やマークダウン形式で書くなどある程度レクチャーされれば誰にでもドキュメントを書く分には申し分ないスキルが身につくはずだと考えています。

もちろんそこにはメンテナンス工数やキャッチアップ工数、そしてスピードなどいくつかのトレードオフはあります。
とはいえ、組織に何の蓄積もなく口頭伝承というのも問題ではないかと思います。

たったドキュメントされどドキュメント。
言語化されることで理解度の不足や手順や処理の透明化など余りある恩恵があるように思います。

まずは自分の周り数人から始めて巻き込んで組織に根付かせていくという手もありかなと個人的には思ったり。
それでは、また。

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