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グラデーション思考

今回のお話

物事の判断は、全てゼロイチで決まるわけではないと思っています。
必ずしもゼロかイチかを選ぶことを迷ってしまった経験は誰しもあるかと思います。
この人と結婚をするべきか。転職をするべきか。子供を私立・公立に進学させるのかなどなどどんな問題もゼロかイチかに落とし込んでしまうという思考法が幼少期から叩き込まれています。

一方で昨今のビジネス書や記事を見ていると、課題解決能力には限界があり、課題そのものを見つける能力や作り上げる能力が大事であるという論説が多くあります。
ただ実はこの流れは、13年前に翻訳出版されたこの本が源流となっています。
この本では、新しいことを考え出す上でこれまでの左脳的思考(論理的思考)から右脳的思考(直感的思考)へシフトしていきましょうという様な話を展開しています。

確かに、課題を解くよりも課題を見つける能力が大事だという認識は浸透してきており、直感的なアイデアというのも重要視されるようになってきています。

ただ、そうはいっても元々の思考のベースにあるのがゼロイチ思考であるならば、左脳的であろうと右脳的であろうとゼロかイチのどちらかに帰着するケースが多く、せっかくの思考の広がりが抑制されてしまうのではないかと考えています。

今回は、意思決定にグラデーションを持たせる思考法について考えていきましょう。

グラデーション思考とは

グラデーション思考とは、ゼロとイチの間に存在する様々な選択肢を組み合わせて意思決定を行う思考方法です。

よく考えてみると凝り固まった考えが世に蔓延っていることが多いですよね。
結婚していない30代以上の男性・女性には何かしら問題があるや親は必ず子育てをする必要がある、入った会社では3年はがんばれなど。

ただそれらはこれまでの世代が生み出してきた時代の流れによる回答の一つであって、ある時代、あるケースにおいては全く無用の長物であることは、簡単に想像がつきますよね。

グラデーション思考では、このような凝り固まったゼロイチ思考による回答の間に存在するグラデーションを持った選択肢を見出そうとする思考の過程とも考えることができます。

それでは、実際にどの様にしてグラデーション思考で考えていくかについて見ていきましょう。

グラデーション思考を生み出す3つの方法

1.ゼロイチ思考による回答を細分化する

ゼロイチ思考では、両極端な回答になります。
例えば、今の職場に不満はないが年収を上げるために転職を行うか社内転換をするかなど。
物事には必ずトレードオフがあります。トレードオフがあるがゆえにその間の選択肢を考慮せず極端な解に飛びついてしまうことが多々あります。

それを回避するためには、ゼロイチ思考で得た回答の逆を考えてみることです。
先ほどの例で言うと、現職に不満はないが、この先年収が上がるかわからないため転職を行うか悩んでいるとしましょう。その際のゼロイチ思考による回答は、「転職を行う」「転職を行わない」になります。

ただ細かく考えてみると、「収入経路を単一から複数にするかどうか」「自分のロールキャリアを現職で展開可能かどうか」「異なる会社や職場では望んだ環境が得られるかどうか」と回答すべき問題が複数個展開されていることがわかります。

それらの回答が、集約されてしまい「転職を行う」「転職を行わない」を選ぶ問題になってしまっています。

そこでグラデーション思考を用いると「転職は行わず収入経路を増やすために副業を始める」や「今までのドメイン知識を使って新たな職種に挑戦する」など様々な揺らぎを持った選択が可能になります。

2.トレードオフのバランスを取り除く

物事はトレードオフの関係にあります。
どちらかを取ればどちらかは失う。
一旦その仮定を忘れた上で思考してみます。

例えば、「年収を下げることなく新しい挑戦をしたい」とすると普通は、年収を下げて新たな挑戦を行うか今までの蓄積から年収を上げるなどのゼロイチ思考になります。

もし年収を上げた上で新しい挑戦ができるとすればどうでしょう。
何に取り組めばそれが達成することができるでしょうか。

そのように思考することで今まで見えてこなかった回答も得られるでしょう。
ただ、完全にトレードオフが無くなることはなく自分にとって最大限のできることを行わなければなりません。

この記事にあるように、バランスを取ろうとし過ぎると中途半端になり、二兎を得ずということになります。そのためにもバランスの仮定を外した上で傾倒すべき事柄を見つけるのです。

3.グラデーションの中から意思決定する

これまででゼロイチ思考からグラデーション思考を使って物事を深く幅を持って考えることが出来ました。

それでも重要なことは決めるということです。決めることが出来なければ結局のところ意思決定ができなければ思考の過程は無駄になります。

そのためグラデーション思考により回答の幅をきめます。その幅から更に細かく取捨選択しつつ意思決定を行います。そうすることでゼロイチ思考では見つけられなかった回答を選択することができるのです。

この本にもあるようにイシューを見つけ出すことができれは、犬の道を行かず効率的に求めている回答に近づいていくことができます。

最後に

物事の選択には全て選ぶことが出来なかった選択肢が存在します。結婚しかり転職しかり。こうなればよかったという仮定の未来はいくつも存在します。

そこで後々になって後悔しないためにも自分の意思決定において細かく選択肢を吟味することが必要となります。ゼロイチ思考では回答を得るスピードは速いですがその分抜け落ちる選択肢を諦めざるしかありません。

そのためにグラデーション思考を用いて後悔しないための選択を行なっていきましょう。未来は決して他人の手にはありません。自分が描く道しかありません。

それでは、また。





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