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【#テレ東シナリオコンテスト】人生の選択権 ※原案:伊藤さん テレビ東京最後の日

■ドラマテーマ:人生ドラマ

伊藤さんの【テレビ東京最後の日】をテーマに考えました。

■ドラマあらすじ:概要

20××年。革命的な技術革新により人々は人生のほとんどをAIによる管理システム『パートナー』に委ねていた。

人生の選択を決めるのは常に最適解を出し続けるAIに頼るのが常識であった。

恋愛、結婚、就職、治療。
人生は様々な出来事が選択の連続なのだが、失敗する事を恐れてリスクを取る事を悪い事とする時代の価値観ではAIに頼らない事は最大の愚行とされていた。

人は、自分で考えて行う選択は『だいたい間違える』
成果主義の時代では間違える事は最大の愚行であったが、どんな時代にもノイズのようなあまのじゃくがいる。

主人公のタカシは、自分の人生は自分で選択を決めたいとする『時代にそぐわない』古い考えを持つ青年であった。

子供の頃に、まだ本という文字が紙に書かれていた時代の物に目をひかれた。

この本があった時代の価値観は、自分の人生は自分で責任を持って決めていた。
そんな事を羨ましいと感じていた。
失敗してもいい。
自分で自分の決めた人生を歩みたい。

テレビには人が映る事は無かった。
情報をたんたんと伝えるディスプレイ。
パートナーのAIに頼めば、バラエティーも音楽もニュースも望むコンテンツを最適な情報をなんでも提供してくれる。
テレビの持つ意味、見る意味合いが時代により大きく変化してしまったのだ。

最後の日へ

●最後の日
そして時代に逆らうように残り続けたテレビ放送も、テレビ東京の放送もついに最後の放送となる日がやってきた。

タカシはアナウンサーだが映る事は無い。
『人の声の方が懐かしい』
とする一部の限られた視聴者の為に情報を副チャンネルで読み上げる役割だ。

今日は23時からの最後の放送の1時間。
ニュース、情報番組において人の声として情報をサポートする役割のはずだった。
テレビ放送の準備をしていると原因不明のノイズによりAI『パートナー』の機能が停止してしまう事件が発生する。
AI『パートナー』の停止により選択を自分の意思で決定する事を求められた人々は大きなストレスを抱えていた。
また情報が無いので唯一まだ独自に開局していたテレビ東京の放送を見る人々が殺到した。
普段はテレビのコンテンツは誰も注目していない。
しかし、情報コンテンツが無くなってしまった今、唯一無二の情報発信できる媒体であった。

ノイズによりいつものようなバーチャル放送ができないので、情報を紙に書き出し昔のようにテレビを通じて人の声で原稿を読んでいく。

最後の明日の天気予報を伝える時間となった。番組終了まで残り7分。

タカシは、カメラを見据えて話はじめた。
「ここで、本来は明日の天気予報の時間ではありますが、テレビ放送の最後の日にキャスターとして伝えたい事があります。」
「天気予報は技術革新により1分単位で、地域ごとにピンポイントで予想できるのがあたりまえの今ですが、今の技術を持ち合わせていない時代もありました。
人々は自分達で未来を考えて自分で選択をしていた時代です。予報が外れる事も大変多くありました。
しかしながら人々は自分で自分の人生の責任を持ち自分の人生を楽しんでいました。テレビの前の皆様。
あなたの人生は誰の物でしょうか。AI『パートナー』のものでしょうか。
自分で自分の人生を決めていた時代。羨ましくもありませんか。本日の放送の前に大規模なノイズがありました。現在は私達の未来は大きな雲に覆われています。私達が私達の責任において、自分の人生の選択権を取り戻す事ができれば、雲は晴れて光が射し込む事でしょう。テレビ東京の放送を見ていただいて、ありがとうございました。」

テレビの向こう側に光が射し込んだ。

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