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【断想】新型コロナという岐路で共に脳漿を絞らないか

 いま世界は新型コロナウイルスによって大きく揺らいでいる。

この混乱は、私たちが築いてきた社会の歪み・脆さを図らずも露呈させることとなった。生物学的な問題は心理的・社会的な問題となり、「境界線」を鮮明にし、様々な社会のレベルでの「分断」となって私たちの心や生活を蝕み始めている。


 しかしコロナの影響により起きてきた諸問題は、いずれ私たちが向き合わなければならなかったものばかりにように思えてならない。

人口増加と経済成長を前提とした資本主義には既に限界がきていたし、東京一極集中の社会ながら首都直下地震は30年間で70%という算定が出され、気候変動・地球環境問題も私たちの生活に色濃く影を落とし始めていた。

今回のような形をとるとは予測できなかったにせよ、同様の混乱は蓋然性の高いシナリオだったといえるだろう。


 ところが備えなきまま、私たちはこの局面を迎えてしまった。

そして、この数週間に私たちのとる判断、下す決断は、今後数年、十数年、あるいはもっと先の社会の行く末を占うものとなるのである。

その上、これに伴う変化の中には不可逆なものも少なくない。

となれば、私たちは目先の不安を抱えながらも、個人として、基本的な政治単位である国民国家の一国民として、あるいは地球上の一人の人間として、今、そしてこれから、どう振る舞っていくべきか、脳漿を絞らねばならないと思う。


 このような危機感を共有し、手を携え、共に考えを巡らしてくれる仲間が一人でも増えることを願わずにはいられない。


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