氷は食べるほう噛む側
誰と話したか、
「夏は死がとても似合う」
そんな話をした気がする。
四季の中、1番生命が生き生きとするはずの季節。それなのに夏はなぜか四季のなかで1番死が似合う季節だと思う。
なぜそう思う様になったのだろう。
それはあの素敵な本のせいであろう。
私の意識を創り上げた本のその一冊のせいであろう。
「わたし」の視点から見る物語
暑い夏のお話で。
素敵な花火が印象に残る。
小さく幼い殺意とともに。
きっと、この一冊が。
物語が、私に夏というものを植え付けた。
ここまできて一切本の内容について、魅力について語ってはいない。
これから下で語るつもりもない。
しかし、興味を持ってくれたなら読んでみてほしい。
暑さで死にそうなカラカラの口に氷が異常に冷たく感じ、求めるように。
生き物が生を叫び死が似合う夏の話を。
私は今年の夏も冷たい氷を口に含みガリガリと歯を立てる。
そして、あの小説を思い出すのだろう。
夏と花火と私の死体
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