母親の存在を知らない話。
私は祖母と父に育てられました。母親は物心つくもっと前からいません。
改めて記憶のない人のことを書くとなると
本当に何の情報もないくらい母親のことを何も知らないのです。
死別ではなく離婚だとは思います。
何も知らない。
これも結構違和感のあるものでして、祖母も父も、
「子供は大人の話など知らなくていい。どうせ言っても理解できないだろう。」
というスタンスまっしぐらだったのです。
他にも父や祖母の過去なども含め、本当に何にも教えてくれません。
いつから母はいないのか
祖母も父も超過干渉タイプの毒親なので、常に私の写真をとっており、
箱にいっぱいの私の写真を定期的に眺めては親戚に自慢したり楽しそうにしておりました。
そんな写真のどこを見ても既に母の姿はありません。
3才?いない。
2才?いない。
では1才?やはりいない。
推測ですが、私を産んですぐ出て行ったのでしょう。
私が結婚する時に戸籍謄本で母の名前を知りました。
母は父の財布を盗んで出て行った。
父は作り話の嘘が非常に多いので、この話も別に信じてはないのですが、
「お前の母は出ていく時父ちゃんの財布を持って出て行ったんや。その中に免許証が入ってて、それだけは返してくれって言うたら、後日郵送で免許証だけ送られてきた。」
なんの話?それ。
そんなこんなで、父も祖母も母のことはボロッカスに貶していました。
そう言う愚痴だけは私に聞かせるのです。
私には腹違いの弟がお腹にいた。
と言う話のときもあれば、
母方の祖母は弟ばかり可愛がって、私が寝てたら毛布を取り上げていた。(お腹の中にいた設定はどこいった)
とか。
母は逃げて正解だったと思う
幼い時は、なぜ私に1度も会いにきたり、電話くれたりしないのだろう。と日々疑問でしたが、大人になった今、
もし私があの父と祖母の家に嫁入りしたとしたら、
多分同じように逃げると思います。
祖母は息子(父)が可愛くて仕方ない、息子もそんな母にベッタリ。
そんな気持ち悪い環境、そりゃ逃げるわ。
父は次男ですが(長男は祖母の過干渉が嫌で駆け落ちで県外に逃げました。)
きっと母はさぞいじめられただろう。
ただ、もし私が同じ立場なら財布は盗まないし、娘もそんな環境に置き去りにしないな。
お前は間違いでできた子なんや
これは私が10代の時、酔って気分が良くなった父に唐突に言われた言葉です。
特にそんなことは意識して生きていなかったのに、その無神経さというかデリカシーの皆無さに目眩がしました。
ちょうどその時家に来ていた父の兄嫁が
「そんなことを言われて、この子はどうしたらいいん!」
と怒ってくれて、それと同時に何だか自分がすごくミジメな存在に思えて、トイレにいくフリをして泣いてしまいました。
父は相変わらず上機嫌で笑っておりました。今でも忘れることができません。
母のことを聞くと祖母がヒステリーをおこす
これがあるので、私は母のことをグイグイと聞くことはなかったです。
ちょっとでも話題にしようものなら
「やっぱり母親の方がいいんか!!」
「ここまで育ってこれたのは誰のおかげやねん!!」
とにかく勝手な考察付きで捲し立ててきます。本当に疲れるのです。
感謝というのは自発的にするもんなんじゃないの?
何故ここまで押し付けがましいのか。
大人が意思を持って行動して命が生まれたんなら、責任を持って育てるのは当たり前なんじゃないの?
思っていても言えません。
親のいうことが正しい。親には絶対服従。
何年もそういう風に洗脳されて育ってきた私には、何も言い返せません。
お前はかわいそうな子
これは親の口癖です。
「可愛い子」という言葉の代わりに「かわいそうな子」と言うのです。
親が言いたいのは、「かわいそうな子だけど、この家に生まれて最高に幸せでしょう?」と言いたいらしい。
本当に閉鎖的でハッピーな人たちだなと思います。
少し母の話からはずれてしまいましたが、結果、別に私にとっては
いてもいなくても一緒。ということです。
ただ他の家庭の母親を見ていると、とても立派で憧れます。
もし今後私の前に母親が現れたら
「いやいや、あなたは正しかったんじゃない?」
と言いたい。そりゃあんな男と、うっかりできてしまった子なんて愛せるわけないですから。
割と軽い気持ちで書けました。次回は父親についてお話しします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。