目指すは「新しい睡眠体験」第一生命が仕掛けるSleeperienceとは (ZAKONE PROJECT NOTE #1後編)
こんにちは!私たちZAKONE(ザコネ)は、睡眠業界を盛り上げるために生まれた、企業や個人をつなぐコミュニティです。
ZAKONE PROJECT NOTE#1 前編では、第一生命、ブレインスリープ、NTT東日本が3社で取り組む新しい睡眠の取り組み”Sleeperience”についてお届けしました。
後編では、第一生命で”Sleeperience”を立ち上げを中心とした新規事業開発で活躍されている白鳥さんの人となりに迫りながら、プロジェクト発足に至った経緯を聞いてみたいと思います。
父の影響で興味があるART。それと通じる”新規事業”に取り組む楽しさ
ー新規事業開発をご担当されていますが、これは希望して始められたのですか?
新規事業はたまたまですね。アメリカの生保会社に出向したときにこれまでの保険の営業の仕事のやり方と、風土やスピードが全然違って、イノベーションに興味を持つようになって、いろいろ本を読んで調べたりしていましが、人事希望には書いてなかったので、今思うと運がよかったですね。今の業務は自分に合っていて、楽しいです。
ーどんなところが楽しいですか?
とにかく、新しいことを考えるのが好きですね。
父の影響で幼少期から美術館によく連れて行ってもらってたんですが、日常的にアートに触れる機会が多かったからなのか、いつの間にか自分で絵を書いたり、新しいことを考えたりするのが好きになりました。中学・高校はサッカー部だったし、芸術系とは全く違った進路を歩んできたのですが、ずっと趣味で美術館に行ったり、絵を描いたりしています。とはいっても適当な絵なので自分でいうのは恥ずかしいくらい(笑)年賀状とかの簡単なイラストです。新規事業に携わるようになってからは、アート思考のセミナーなんかにも参加していますが、楽しくて。それが今に繋がっているのかなと思います。
ー想像以上の腕前。本格的ですね!!
新規事業開発は前例がないことだらけ。外での刺激を活かす
新規事業は試行錯誤を繰り返しながら、とても泥臭いことが必要だと思っています。
ただ、私自身イノベーション・ラボに配属されるまで既存の生命保険事業に関わる業務しかやってこなかったので、当初は右往左往していました。
ーそうですよね。現部署立上げ当初はご苦労もあったのではないでしょうか。
はい、当初はわからないことだらけで、そんな状況が不安すぎて。そんな状況を打破したくて、新規事業を学ぶために経済産業省・Jetroが主催している”始動NextInnovator”に応募し、参加させていただいて。そしたら熱量の高い他社の新規事業担当者や、起業家の人と多く関わり、いろいろ刺激を受けました。
運よく、シリコンバレーにも行かせてもらったのですが、そこでの経験は自分の人生の転機になるくらい貴重なものでした。今でも当時のメンバーとは情報交換しながら刺激をもらい、いろいろと相談しています。
なぜ、第一生命が睡眠?取り組んだきっかけ
きっかけは今入居している虎ノ門ヒルズの「ARCH」というイノベーションセンターでNTT東日本の尾形さんと出会ったことです。当時尾形さんが睡眠の事業をやっていて、そのプロジェクトの一環で仮眠ボックスのPoCをやっていて、被験者として参加したんですよね。そこから自身の睡眠にも考えるようになって。睡眠への興味がどんどん湧いてきたタイミングで尾形さんから何か一緒に睡眠事業やりましょうという話になって。
昨年、第一生命のグループビジョンが刷新され、「Protect and improve the well-being of all (すべての人々の幸せを守り、高める」になりました。わたしたちイノベーション推進部としても”Well-being”をテーマに新規事業を検討していました。
誰もが毎日行う睡眠がWelbeingに直結するということで、”Sleeperience”プロジェクトが発足しました。
新たな睡眠体験”Sleeperience”プロジェクトの反応は?
ー前編でプロジェクトについての概要はお聞きしたのですが、実際どうでしたか?
2022年6月24日から7月3日まで東急ステイ京都阪井座で、実際に宿泊されている方々に様々な睡眠グッズをお試しいただきながらご自身の睡眠状態を計測するというサービスを体験していただいたのですが、予想以上に喜ばれました。全体で83名の方にブースに来ていただき、64名の方に体験いただきました
ー使われた方はどのような方が多かったんですか?
性別年代問わず多くの方にご利用いただいたのですが、利用した方は、女性の方が多かったですね。睡眠に関わる悩みは多岐にわたるものの、睡眠の質の低さと寝具に悩みを持つ人が多かったです。
ー実際このプロジェクトをやってみての反応はどうでした?
満足度が高く、また利用したいと回答してくださった方が9割以上いましたね。また、”Sleeperience”が利用できるホテルを使いたいですかという問いに関しても約8割の方が利用できるホテルを積極的に選ぶという回答をされていて、ホテルにとっての付加価値向上につながるという結果が得られました。今後色々なホテルに展開できるといいなと思いました。
ーどんなグッズが人気だったんですか?
人気あったのは枕とか、パジャマでした。一晩寝てみないとわからないということで試してみたいというものが多かったですね。利用者の中には枕の買い替えを考えていて、事前に”Sleeperience”の告知を見てわざわざ泊まりに来てくれた方もいらっしゃいました。あと、旅の疲れを癒す小型のマッサージ器も人気でした。
ーデバイスでの睡眠判定もされたようですが反応はどうでしたか?
睡眠データを測定した結果をフィードバックシートという形でご提供しましたが、睡眠スコアや寝姿勢にご興味を持たれている方が多かったように思います。自身の睡眠を見直し、もっとよい睡眠が取れるきっかけになればと思います。
今後の展開について
体験としてご好評はいただいたので、本格的な事業化に向けて具体的なビジネスモデルやオペレーション等を検討中です。
多くの方に”Sleeperience”を体験いただくために、宿泊施設や睡眠グッズメーカーなど、パートナーも現在募集中です。新しい宿泊体験”Sleeperience”を広げていきたいと思います。
ーありがとうございました。
第一生命の中で新規事業に挑戦している白鳥さんへのインタビューでした。睡眠の体験を変える”Sleeperience”のお話を聞いていて、旅先や出張先で気になっていた商品が試せて自身の睡眠を見つめるきっかけになるサービス、是非使ってみたいと思いました。今後の広がりに期待です。(取材:ZAKONE編集部 佐々木 翠)
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