見出し画像

20031018 バカについて

 最近、「バカ本」に凝っている。バカボン$${^{*1}}$$ではない。「バカ」という文字の入った題名の本を見つけるとついつい買ってしまう。私自身が「バカ」だと他人から思われたり、自分でそうは思いたくないので、他人の言う「バカ」を知って、それは自分のことを言われているのかどうか確かめたいのである。

 手許には「バカの壁$${^{*2}}$$」「バカのための読書術$${^{*3}}$$」「まれに見るバカ$${^{*4}}$$」「やっぱりバカが増えている$${^{*5}}$$」の四冊の新書がある。

 「バカ$${^{*6}}$$」というのは、相対的な表現である。較べる物があって初めて「バカ」かそうでないかと言うことが出来る。何か「バカ」という基準があってそれに基づいて書かれている。その基準はその本の著者の思いが基になっているのだが、共感する部分があるとついその著者の思いが絶対的な基準であると錯覚してしまう。「バカ」そのものが居るか$${^{*7}}$$のように思い込んでしまう。

 相対的な「表現」であるにもかかわらず、「バカ」というものが絶対的な事柄や存在であると本気で考えてしまうのも、そう考えない人からすればその人は「バカ」になるだろう。もしかしたら「絶対的なバカ」というものの定義はこれなのかも知れない。「バカ、バカという奴が一番バカ」というのはこのことなのだろう。

*1 これでいいのだ!
*2 Mainichi INTERACTIVE くらし・娯楽 今週の本棚 バカの壁
*3 紀伊國屋書店:バカのための読書術
*4 紀伊國屋書店:まれに見るバカ
*5 やっぱりバカが増えている / 小浜 逸郎【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
*6 馬鹿/莫迦(ばか)の意味 - goo国語辞書
*7 読書のおと(内田百けん作品のページ) ●「間抜けの実在に関する文献」●

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?