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20050601 温室効果

 温室はなぜ暖かくなるか。数年前から温室効果ガス$${^{*1}}$$という言葉がよく聞かれるようになったが、同じ「温室」でもこの温室効果ガスと温室が温かくなるのとは原理が全く違う$${^{*2}}$$らしい。

 日光によって温室内の物や地面が温められる。それらによって周りの空気が暖められる。暖められた空気は軽くなるので温室がないと上昇してしまうが、温室によって滞留するので室内の温度が外よりも温かくなる。一方、温室効果ガスはその定義が模糊としていてよく解らないが、赤外線を吸収しやすいガスを言うようだ。従って温室$${^{*3}}$$とは関係がない。惑星大気中の温室効果ガスの増加と太陽からの日射エネルギーとによって惑星の表面温度が上昇する$${^{*4}}$$と考えられているので、それを温室の温度上昇現象になぞらえてそう呼ばれている。

 温室は小さいものはクローシェと呼ばれる苗一つ分の大きさ$${^{*5}}$$、大きいものは9000平米$${^{*6}}$$もの広さになる。

 それではこの温室をどんどん広げていって地球規模にしたらどうなるだろうか。地球の大気圏$${^{*7}}$$をすっぽりと包むような巨大な温室である。大気圏は高度500kmぐらいまで広がっているらしいので、この温室の高さも500kmぐらいあることになる。ここまでくると温室効果は現れるのだろうか。この地球規模温室は基本的に「光は通すが空気は通さない」だけである。もともと大気圏から宇宙空間に空気が大量に拡散しているというのを聞いたことがないので、温室があってもなくても変化はないだろう。つまり温室効果は現れないことになる。

 温室の高さが低くなるとどうなるか。大気の対流$${^{*8}}$$が妨げられたりするので温室効果が出てくるかもしれない。

 温室効果ガスは大気の対流を妨げるわけではないので、やはり「温室」とは関係がない。

*1 ?を!に...>解説集>>温室効果ガス
*2 地球の温度と温室効果
*3 東京大学総合研究博物館デジタルミュージアム
*4 EICネット[環境用語集:「温室効果」]
*5 Buy Original Victorian bell cloche: Delivery by Crocus
*6 なばなの里
*7 大気圏とは - コトバンク
*8 気象庁|大気の構造と流れ

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