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20001011 シトロエン

 日常よく目にするローマ字の言語はやはり英語だろう。英語の表記には綴りの中に記号がつかないので、ドイツ語やフランス語の綴りの中に色々見慣れない記号はかなり新鮮に見えるというか、奇異に見える。ドイツ語はエスツェット$${^{*1}}$$とウムラオト$${^{*2}}$$が英語には出てこない文字や記号であるが、フランス語はもっと沢山ある。アクサン$${^{*3}}$$やセディーユ$${^{*3}}$$、トレマ$${^{*4}}$$、oとeがくっ付いた字*3などがあってフランス語を全然知らない状態で読もうとするといろいろ勝手に類推してし読んでしまう場合がある。

 日本語のローマ字表記で「^」や「-」を母音字の上に付けて長音を表すことがある。フランス語のアクサンやトレマもその類だと思って伸ばして読まれることがあるようだ。

 シトロエン$${^{*5}}$$はCitroenと綴る。綴り字の中の「e」の上にはトレマ「¨」が付いている。これは「oe」と母音が並んでいるのを別々に分けて「オエ」と発音するための記号で、これがないと一つの母音として発音されてしまう。フランス語では母音が連続することを避けるので、連続する母音を発音するためには記号が要るのであろう。

 このシトロエン$${^{*6}}$$を「シトローエン」と書いたり発音したりすることがある。検索エンジンで「シトローエン」を検索すると沢山出てくる。これは日本語ローマ字表記の長音の類推でこう考えてしまったのだろう。実際のフランス語発音は「スィトロエン」と聞こえる。

*1 ドイツ語の綴り字と発音
*2 ドイツ語の綴り字と発音 ドイツ語の文字
*3 French and HTM
*4 Windows95/98でフランス語を書く
*5 [Citroen Web Site]
*6 Citroën.com, the International website of Citroën

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