見出し画像

20040503 ジャバウォッキー文

 文法が正しくて、使われている単語が正しくても意味が通じない文を作ることができる。「僕はうなぎだ$${^{*1}}$$」「ママは卵を入れてオロナミンセーキ$${^{*2}}$$よ」と場合によっては通じる。おかしな内容になってしまうのは、文中で使われているそれぞれの単語の意味に関連性が殆どない$${^{*3}}$$からだろう。

 文法は正しいが、単語が無意味で無茶苦茶という文は全く意味が通じなくなる。これは当たり前の話で、意思の伝達は単語によってなされている$${^{*4}}$$からだ。自分が使う単語は、話す相手も知っている単語でないと全く通じない。相手が意味を了解して初めて「言葉」となる。

 「文法は正しいが、使われている単語が無茶苦茶」という文を「ジャバウォッキー文$${^{*5}}$$」というらしい。ジャバウォック$${^{*6}}$$とは鏡の国のアリス$${^{*7}}$$に登場する怪物$${^{*8}}$$である。

 なぜ意味をなさない文を総称する必要があったのだろうか。こういった文は脳が言語の文法をどのように処理しているかを探る$${^{*9}}$$のに用いられるようだ。

 「ジャバウォッキー」という言葉自体はルイス・キャロル$${^{*10}}$$が英語のjabber(わけの分からないことをペチャクチャ喋る)$${^{*11}}$$から作ったと言われている。

*1 思索の遊び場 高杉親知の日本語内省記 うなぎ
*2 オロナミンC CMヒストリー
*3 20040501 言葉の距離
*4 20040502 文法の意味
*5 NLP Meets the Jabberwocky: Natural Language Processing in Information
*6 LOQ: synthesized speech jabberwocky-txt-3pps.jpg
*7 鏡の国のアリス Through the Looking Glass: And What Alice Found There
*8 ジャバウォッキー
*9 文法処理の脳機構
*10 The Lewis Carroll Society of Japan
*11 Online Etymology Dictionary ETYMOLOGY J-Ji

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?