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20000925 スター

トランジスター$${^{*1}}$$、バリスター$${^{*2}}$$、サイリスター$${^{*3}}$$、サーミスター$${^{*4}}$$とこれらの固体電子素子の名前には「スター」という言葉が入っている。この「スター」は何か。星のスターではない。それぞれをローマ字で書くと「transistor」「varistor」「thyristor」「thermistor」なので星の「star」とは綴りが違う。

 この「stor」は「resistor」のスターである。レジスターとは抵抗器のことである。バリスターはvari+resistorで「変化する抵抗器」。加える電圧の大きさによって電気抵抗が変化する回路素子である。サーミスターはthermo+resistorで「温度の抵抗器」。温度によって抵抗値が変化する回路素子である。

 トランジスターは電気信号を増幅させる回路素子なので電気の流れにくくする抵抗器とは少し毛色が違う。サイリスターはあまり聞かない名前かも知れないが、これも抵抗器としての役目はない。機械的な駆動部分のない半導体電子スイッチとして家電製品から電車まで幅広く使われている$${^{*5}}$$。いずれも半導体で構成される電子部品である。

 抵抗器は大抵、セラミックスや金属などの固体を使うので「レジスター」というのは固体という意味が強いのかも知れない。トランジスターやサイリスターが発明されたときは、今までの真空や気体を利用した「電子管」から「固体素子」への変化を強調したかったのかも知れない。
 サイリスター$${^{*6}}$$はサイラトロンthyratron$${^{*7}}$$という電子管の半導体版ということでthyratron+resistor「サイラトロンのような抵抗器(固体素子)」である。

 トランジスターはtransfer+resistorである。transferは「運ぶ」。最初のトランジスターは結晶に二本の針を立てたもので、その結晶が「レジスター」というのは判る。しかし何を「運ぶ」のだろうか。おそらく結晶の中の電子を運んで増幅作用を起こすという意味合いからtransfer resistortと名付けたのであろう。

*1 増幅回路、トランジスターの基本
*2 セラミックバリスタTNR(R)製品情報
*3 1997MAR GCTサイリスタ
*4 フューエルセンダー1
*5 サイリスタ回路実習装置
*6 日本財団事業成果ライブラリー/社団法人 日本船舶電装協会
*7 USHIO LIGHT EDGE

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