見出し画像

20010808 海外地理の漢字表記

 我が家の便所に貼ってある世界地図$${^{*1}}$$を見ていたらグリーンランドの南端に「植村山」と名付けられた山があることに気付いた。高さは2540m。この「植村」は冒険家の植村直己$${^{*2}}$$の植村である。

 日本、中国や韓国以外の海外で山、河や海の名前が漢字で書いてあると何となく変な感じがする。植村山は元々日本人の名前に因むのだから納得できるが、山や河などの地形の名前を現地言語ではなく、日本語に訳して漢字で表記することがある。太平洋や大西洋など大洋はいろんな国々が面しているので、それぞれの言語による固有の名前があるのは仕方がないが、そうでない場合に勝手に日本語に訳して漢字で表記するのは違和感がある。日本語には外国語の音を片仮名に置き換えて表記するという便利な機能があるのに、何故かそれを使う時と使わない時がある。

 オーストラリアの大鑽井盆地$${^{*3}}$$を知った時もどうして漢字なのだろうと思った。現在、オーストラリアの公用語は英語なので「大鑽井盆地」は英語で「Great Artesian Basin」と呼ばれる。artesianは一般名詞で「鑽井(自噴する掘り抜き井戸)$${^{*4}}$$」のことである。鑽井が出来る原因となっている大鑽井盆地の隣の「グレートディバイディング$${^{*5}}$$山脈」は訳して「大分水嶺山脈」と表記されたりする。しかし大鑽井盆地は訳さずに「グレートアルティジアン」と片仮名表記されることはない。この差は何なのだろう。

 死海$${^{*6}}$$も何故か訳してある。現地では「塩の海」と呼んでいるらしい。ところがアメリカにある「グレートソルト湖$${^{*7}}$$」は「大塩湖」と訳して表記されない。ニュージーランドの「North Island$${^{*8}}$$」と「South Island$${^{*8}}$$」は必ず「北島」「南島」と漢字で表記される。紅海、地中海$${^{*9}}$$も漢字でしか書かない。これらは色々な言語の国々にまたがっているので仕方がないかも知れない。カスピ海$${^{*10}}$$は「裏海」とも言うし、エーゲ海$${^{*11}}$$は「多島海」と言う。

 この記事を書いていくうちに初めて知ったのだが、「地中海$${^{*12}}$$」というのはヨーロッパ大陸とアフリカ大陸に挟まれた海だけを指すだけではなく、読んで字の如く陸地に囲まれた海の一般名称である。従ってカリブ海、チモール海、紅海、北極海などを総称して地中海と言うらしい。

*1 20000229 六大州
*2 Uemura Naomi Memorial Museum
*3 大鑚井盆地
*4 被圧地下水
*5 オーストラリア大陸
*6 イスラエル大使館 東京 | オンラインマガジン | 連載物 | 観光
*7 ユタの自然は不思議の連続
*8 19991227 島の名前
*9 クラブメッド
*10 ディフェンス・ゼミ カスピ海周辺諸国のエネルギー資源を巡る最近の動向について
*11 日本エーゲ海学会
*12 Club Med

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?