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20040323 最敬礼

 $${^{*1}}$$の仕方には三種類ある。「会釈」「敬礼」「最敬礼」$${^{*2}}$$と、この順番で相手に対する敬い方の度合いが高くなる。

 普段は「会釈」か「敬礼」ぐらいしかお目にかからない。旅館やホテルの出迎えなど、サービス業などに携わっていれば「最敬礼」をすることは良くあるだろうが、一般の人が普通の生活で「最敬礼」することは殆どない。

 戦前戦中は良くやっていただろう。国家神道における信仰行為として最敬礼が一般人の間でも広く行われていた$${^{*3}}$$。

 鳥肌実$${^{*4}}$$という右翼芸人がいる。「右翼芸人」という言葉は何か変だが、国粋主義者のような格好$${^{*5}}$$をしている芸人という意味である。支離滅裂な演説「芸」$${^{*6}}$$に人気があるらしい。本質は抜きにして本物の表面だけ忠実に再現しながら、内容が無茶苦茶というのが面白い。

 「欲しがりません勝つまでは」「富国強兵」「ニイタカヤマノボレ」といった太平洋戦争中のスローガンなどを刺繍した上着$${^{*7}}$$を着て芸を披露している。

 その上着には「皇居に向かって敬礼$${^{*8}}$$」と刺繍がしてある。何故「敬礼」であって、「最敬礼」ではないのなのか。歴史的経緯、右翼思想からして「最敬礼」のはずだ。それに「コーキョニムカッテ サイケーレー」の方が、七五調になっているので良さそうだ。敢えて「最敬礼」にしなかった理由が何かあるのだろうか。

*1 お辞儀について
*2 ビジネスマナー講座1回目「お辞儀」:人材派遣のウーマンスタッフ株式会社
*3 ボクラ小国民 奉安殿の前で最敬礼
*4 鳥肌実 公式ホームページ
*5 轟沈演説
*6 torihada_gaisen.mp3 紹介
*7 ポスター
*8 堂々たる鳥肌実中将

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