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20021226 ブーブークッション

 ブーブークッションを久しぶりに玩具店で見かけた。ブーブークッション$${^{*1}}$$とは悪戯玩具である。ゴム製の風船で空気を入れて座布団の下などに忍ばせておく。その上に人が座ると風船の中の空気が勢いよく風船の口から出て「ブーッ」とおならの様な音が出るようになっている。ブーブークッションの上に座った人は自分の尻から突然発せられるおならのような音にビックリして飛び上がる。元々はアメリカの玩具らしく、英語では「Whoopee cushion」と言う名前らしい。

 見かけたブーブークッションは従来のブーブークッションとは少し違っていた。風船の中に 風船よりも少し小さい直径で厚さが2~3cmの円盤形のスポンジが入っている。そしてさらに風船の中央には5mm程度の穴が開けてあった。

 これは風船に空気を吹き込まなくてもいい「ブーブークッション」であった。通常のブーブークッションはクッションの中に空気を吹き込んで膨らませ座布団の下に忍ばせ、悪戯が成功したら、また風船に空気を入れて次に備えなければならなかった。

 改良型のブーブークッション$${^{*2}}$$はスポンジによって予め風船が膨らんだ状態になっている。そこで人が尻を乗せるとスポンジが潰れ風船の中の空気が外に出ようとする。風船の中央には穴が開いている$${^{*3}}$$が、その穴は尻に塞がれているので、通常のブーブークッションと同様に「風船の口」から空気が出て音を発する。

 ビックリして飛び上がるとスポンジが元に戻ろうとする。この時は風船の中央の穴から空気が風船の中に吸い込まれて、次に座る人の為の準備が出来上がるのである。

 なかなかよく考えてある。包み袋には特許が取得してあるようなことが書いてあった。ところが「子供の大科学$${^{*4}}$$」という本にこの「自己復元型ブーブークッション」の特許が日本で1959年に実用新案$${^{*5}}$$の出願がなされていると書いてあった。この実用新案では風船の中央に開けられるのは単なる穴ではなく、空気を吸い込む時に音が鳴るようになっているものらしい。恐らく尻を乗せた時、確実に風船の口から空気が出るようにするため空気を一方向だけに流す役目をする逆止弁$${^{*6}}$$の様な働きをさせるつもりだったのだろう。

 直接は関係ない話だが、アメリカの特許庁$${^{*7}}$$の特許検索の手引きページには「ブーブークッション$${^{*8}}$$」が用例として取り上げられて解説してある。

*1 Whoo!!pee!! cushion
*2 Fun For All! Toys-Self Inflating Whoopee Cushion-Pranks and Gags Pg9
*3 The Whoopee Cusion is one of the all time classic gags and just about everyone has played with one of these. We found this new and improved model. This key chain model is self inflating and will fit in your pocket for stealth and portability. There is no need to blow it. A foam insert insures that this units is always ready let it out.
*4 20000824 シーモンキー
*5 20000201 定期券の実用新案
*6 ネオドレンパイプ ND/NDD ドレン逆止弁(逆流防止弁)NDB
*7 United States Patent and Trademark Office Home Page
*8 Help on the Advanced Search Page

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