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20020128 ちょっとそこまで

 最近、ラジオ$${^{*1}}$$でよく耳にする歌が気になる。宇多田ヒカル$${^{*2}}$$の「traveling」という歌である。宇多田ヒカルの作詞作曲らしい。

 歌の最初の方で彼女に会いに行くためにタクシー$${^{*3}}$$に乗る、という場面が歌われている。そしてタクシーの運転手との会話が詩の中に織り込まれている。

 「どちらまで?」と運転手に聞かれて「ちょっとそこまで」と答えている。現実にこんな会話はなされないだろう。タクシーの運転手は「ちょっとそこまで」と言われてもどうすればいいのか判らない。そのままタクシーを出せばいいのか回転して反対方向に向かえばいいのか。

 「この道を真っ直ぐ」とか「水道道路$${^{*4}}$$に出て$${^{*5}}$$の方へ」とか言うのが普通である。

 「ちょっとそこまで」というのは場所を示す言葉ではなく近所の人に対する挨拶である。道で出会って「おや、どちらまで?」と聞かれて「ちょっとそこまで」と答える。この「どちらまで」というのは「どこに行くのか」という問い合わせではなく単なる挨拶なのである。「左様(さよう)なら」と言っても何が「左様」なのかはどうでもいいように、どこに行くのかは関係ない。たまたま捕まえたタクシー$${^{*6}}$$の運転手が近所の人じゃない可能性は非常に高いのでこんな会話はしない。

 この曲を聞く度に気になって仕方がない。

*1 ZIP-FM 77.8MHz
*2 Hikki's WEB SITE
*3 タクシー Kmグループ
*4 荒玉水道と給水塔
*5 東京都世田谷区砧4丁目付近
*6 エムケイホームページ

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