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20001207 自然数と実数

 自然数と実数との個数の比較は言ってみれば直線上に並ぶ「数」の並び方を比べることである。直線上に数がまばらに並んでいるか、緻密に並んでいるかを考えてみれば、無限の度合いの違いが簡単に想像することが出来る。

 それでは正方形の中の点の個数と直線上の点の個数とではどちらが多いか。正方形の方は面積があるから圧倒的に多そうに思える。1次元と2次元の比較だから比較にならないような気がするが、実は同じらしい

 正方形の中の点の座標を$${(x,y)}$$として、直線上の$${0}$$から$${1}$$までの任意の点をaとすると

$${a=0. \space a_1 \space a_2 \space a_3 \space a_4 \space a_5 \space a_6 \space ...}$$

ここで$${x=0. \space a_1 \space a_3 \space a_5 \space ...}$$、$${y=0. \space a_2 \space a_4 \space a_6 \space...}$$

とすれば$${1 \times 1}$$の正方形の中の点$${(x,y)}$$に$${0}$$から$${1}$$までの数を対応させることが出来る。

 さらに正方形を埋め尽くすことが出来る曲線$${^{*1}}$$もあるという。線には面積がないからどんなに緻密に並べても正方形にならないと思っていたが、出来るようだ$${^{*2}}$$。

 小学生の頃、掛け算を憶えた時、掛け算は足し算の繰り返しという理解をした。$${2 \times 3}$$は$${2}$$を$${3}$$回足すことだ、と理解していた。それが今度は「長さ」$${\times}$$「長さ」というのが出てきて一気に理解できなくなった。「長さ」$${\times}$$「倍数」ならば、足し算の延長で考えることが出来る。$${1}$$mの$${2}$$倍ならば$${2}$$m、$${2.5}$$倍なら$${2.5}$$mといった具合に明解に判る。しかし「長さ」に「長さ」を掛けると言うことがどういうことなのか意味がさっぱり分からなかった。後にこの掛け算は「面積」という別の次元に変換する作業だと言うことを理解することになる。

 しかし、もし「長さ」に「長さ」を掛ける疑問を突き詰めていったら独自に上のような無限と次元の保存性に対する漠然とした概念を生み出していたかもしれない。

*1 Pandimensional Space-Filling Curves
*2 Plane Filling Curves: Peano's & Wunderlich's

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