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19991220 印度人もビックリ

 かなり昔の話らしいが、ある学会の国際会議でインド人の科学者が日本人の科学者に「日本語でelectronは何というのだ。やはりエレクトロンなのだろう」というのでその日本人科学者は「電子」という日本語があると言ったら、そのインド人は大層驚いたそうである。東洋の一国の言語で西洋の文明で発見された現象や物質を表す独自の言葉があるのは信じられなかったらしい。ヒンズー語$${^{*1}}$$には電子を直接表す言葉がないらしい。

 「電子」は明治時代に作られた言葉だろう。明治時代には西洋の言葉を漢語に変換する作業をしてきたようだ。「哲学」「自然」などもともと日本語にない概念を表す西洋語をカタカナで表記するのではなく漢語に直していた。
 最近はもともと日本語があるにもかかわらず西洋の言葉に置き換える人が増えている。特に感じるのは色で「青」「灰色」「桃色」「橙色」などは「ブルー」「グレー」「ピンク」「オレンジ」という人が多い。折角インド人が日本語のすごさに驚いてくれたのに、わざわざそのすごさを無くすような言い替えはやめた方がいいと思う。

*1 Foreign Languages for Travelers

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