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20030615 雌雄のもと

 雌雄同体と雌雄異体とではどちらが進化しているのだろうか。魚類や両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類では雌雄同体はいなさそうなので雌雄異体の方が進化しているように思える。植物の場合はどちらがどうとも言えない$${^{*1}}$$感じがする。

 生物の進化の過程からすると、おそらく最初の生物には雄雌の区別はなく単独で分裂して増えていったのであろう。それが突然なのか徐々になのか分からないが、生殖を専門に行う部分が出来て雄の部分と雌の部分が出来上がったのだろう。

 雌だけで生殖する生物$${^{*2}}$$もいるが、普通は雄と雌とがいないと生殖ができない。普通に考えれば雄と雌とがそれぞれの個体に出来あがったのではなく、一つの個体に雄雌の器官が出来てそれが進化の過程でどちらかに特化していったのではないだろうか。

 例えば雌雄同体のミミズ$${^{*3}}$$が進化して雄の機能だけを持つミミズと雌の機能だけを持つミミズとに別れていくと考えれば分かりやすい。

 人間の場合はどうか。生殖器は男も女も元は共通で、胎児が成長する過程$${^{*4}}$$で遺伝子情報に従ってそれぞれの形になっていく。睾丸$${^{*5}}$$は卵巣、陰茎は陰核、金玉袋$${^{*6}}$$は大陰唇、といった具合に男性器と女性器とが対応している。哺乳類は皆こうなっているのだろう。

 性器のもともとの器官が胎児の成長の過程で発生$${^{*7}}$$し、それが分かれていく。生殖に最も重要な睾丸と卵巣との元となる器官$${^{*8}}$$には睾丸と卵巣の要素がそれぞれが含まれている$${^{*9}}$$らしい。

 ということは哺乳類でも雌雄同体が基本になっていることなのだろう。自分の中にも女性の元があると思うと何やら変な気分である。

*1 植物の雌雄性
*2 分子遺伝学 ゲノムインプリンティングとは?
*3 20030613 ミミズ天国
*4 Visembryo
*5 20030318 似ている植物
*6 20010816 金玉
*7 性分化疾患|日本小児内分泌学会 男性の性器
*8 性の分化
*9 細胞分化研究部門 1.生殖腺の形成に必要な転写因子の発現調節と機能

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