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20030910 cats and dogs

 英語には「It rains cats and dogs」という表現がある。「土砂降りだ」という意味になる。普通に用いられる表現なのか、殆ど使われない表現なのか判らない。

 この表現で思い出すのはテレビジョン放映されていた「トムとジェリー$${^{*1}}$$」の真ん中の話である。もともと古いトムとジェリーは映画館で上映されていた。それをテレビジョンでは、「トムとジェリー」を2話とその間に「ドルーピー」など$${^{*2}}$$の話を1話挟んで30分にして放映されていた。真ん中の話には様々な主人公が登場するので、「トムとジェリー」のような一定した名称はなく、一般には「トムとジェリーの真ん中」と呼ばれていた。

 この「真ん中」で「へんな体験記$${^{*3}}$$(Symphony in Slang$${^{*4}}$$)」というのがあった。ある若者が天国に行く。天国の天使はその若者にそれまでの一生を聞こうとするが、若者のしゃべる言葉がよく分からない。その天使は、若者の言葉に明るい別の天使を呼ぶ。その別の天使が若者の言葉を翻訳した内容が話になっている。

 慣用句や俗語をそのまま理解しようとするので変な内容になってしまう。例えば若者は「猫に舌を取られた$${^{*5}}$$」と表現する。これは「口がきけなくなる」という意味になるが、そのまま猫が舌を盗んだ事になってしまっている。

 同じように「外は土砂降りで」と若者が言うと、件の天使は猫と犬とがボタボタと空から降ってくる様子を想像している。それ以来「cats and dogs」という表現に出くわすといつも「猫と犬とがボタボタと空から降ってくる」場面を思い出す。

 何故、土砂降りが「cats and dogs」なのか。一説に$${^{*6}}$$ロンドンに下水道が整備されていない頃、大雨が降ると猫や犬が溺れ死んだため、さながら空から猫や犬が降ってきたようだったところからというのがある。ここにも同じ様なこと$${^{*7}}$$が書いてある。

 大雨になると多くの猫や犬が溺れ死ぬというのは聞いたことがない。日本の常識で考えるとこの説は信じ難い。ロンドンでは大雨で道が突然川のようになった$${^{*8}}$$のだろうか。下水道が出来て$${^{*9}}$$この現象はなくなったのかも知れない。。

 この表現は1651年からある$${^{*10}}$$らしい。最初は「dogs and cats$${^{*11}}$$」だったようだ。そうなると「cats and dogs」は「catadupe」や「cata doxas」が由来$${^{*12}}$$、というのも怪しい。

 結局、よく分からないのが本当のところだろう。

*1 CARTOON NETWORK.co.jp : トムとジェリー
*2 Tex Avery wallpaperss
*3 Cartoon Music ! Symphony in Slang
*4 Symphony in Slang - Tex Avery / HOGAN RICH / TEX-AVERY
*5 ■Has the cat got your tongue? どうして黙っているの?
*6 ● 一言イギリス英語講座 - "rain cats and dogs"
*7 ちょっと軟らか話題の広場 - シルバー時代を迎え、ネ… 空から猫と犬が降る!?
*8 Cats & Language Raining cats and dogs
*9 下水道の歴史
*10 rain cats and dogs — Wordorigins.org
*11 rain | Origin and meaning of rain by Online Etymology Dictionary
*12 気象情報 ウェザーナビゲータ

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