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20010714 仮想世界の寝言

 テレビドラマにこんな場面がある。残業か何かで夜遅くに帰ってきた家の主人がその奥さんに「子供は」と聞くと「もう寝ていますよ」という。子供の寝室を覗くとその主人と似ても似つかない顔をした子役が寝ている。すると主人は必ず微笑みながら子供の布団を掛け直すのである。ドラマではその場面がしょっちゅう出てくる訳ではない。これを現実で考えれば、しょっちゅう残業で遅く帰ってきた主人が覗き込んでは布団を掛け直していることになる。そんな現実は一般家庭であることなのだろうか。ホイチョイプロダクション$${^{*1}}$$の「OTV$${^{*2}}$$」という本にこんなことが書かれていたと思う。

 昔にこの本を読んだ時、私もそう思った。ところが、実際に家庭を持ってみると本当に子供の布団を掛け直すことがしょっちゅうある。子供は大抵は寝相が悪いので気が付けば布団がはだけている。従って覗き込めば布団を掛け直したくなるのは自然な衝動であったのだ。

 ついこの間、$${^{*3}}$$が寝言を言っていた。「ごちそうさま」とはっきり言っていた。これもドラマやマンガだけの世界だと思っていた。

「う~ん、もう食べられないや、ごちそうさま。むにゃむにゃ・・・」

という寝言はまさに仮想世界の台詞だと思っていた。娘の寝言は「ごちそうさま」の一言であったが、食いしん坊の登場人物を象徴する寝言の一部を現実に聞くことができた。

 私自身の仮想世界が自分の娘の仮想世界によって現実化したのである。

*1 HOICHOI PRODUCTIONS
*2 ホイチョイ プロダクション OTV テレビが面白くなる本(一般)|売買されたオークション情報、yahooの商品情報をアーカイブ公開 - オークファン(aucfan.com)
*3 20010505 すみれ

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