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20000401 あなたの知らない世界の答え

 先日出したクイズ$${^{*1}}$$の答え。

 北に1km、東に1km、南に1km歩いたら元の出発点に戻ってしまう南極以外の場所は北極の周辺にある。
 赤道上では真東に歩いていった場合、約4万km歩かないと元の出発点に戻ることができないが、極に近づくにつれその距離はどんどん短くなる。地球儀を見れば、緯線の一周が極に近くなるに従い短くなることが分かる。つまり緯線の長さが1kmになる所では真東に1km歩くと出発点に戻る。北極点から半径約$${1/(2π)=159}$$mの円周上が丁度一周1kmになる。この円周上は東西どちらかに1km歩くだけで出発点に戻る。

 この円周上から南に1km行ったところが「北に1km、東に1km、南に1km歩いたら元の出発点に戻ってしまう」地点である。この点から北に1km行くと緯線が1kmの円周上に到達し、東に1km、つまり緯線を一周すると最初に元の点に戻る。そこから南に1km行くということは最初に北に向かった道を逆に辿っていくことになる。
 従って北極点を中心とした半径約159mの円周上から南に1kmの地点は、北極点を中心として半径約1159mの円周上にあることになる。

 更に一周で元に戻る点があるならば二周で元に戻る点もある。円周が500mであれば二周まわれば、1km歩いて出発点に戻る。従って半径は約$${1/(2×2π)=80}$$mになる。100周でも元に戻る点がある。緯線をn周回って東に1km歩いたことになる円は北極を中心とした半径約$${1/(n×2π)}$$kmの円である。
 よって「北に1km、東に1km、南に1km歩いたら元の出発点に戻ってしまう」地点は北極を中心とした半径約$${1/(n×2π)+1}$$km(ただしnは自然数)の円周上にある。

 応用問題「北に1km、東に1km、南に1km、今度はまた東に1km歩いたら元の出発点に戻る点」はどこか。同じように考えて南極点を中心とした半径約184mの円周上にある。nを用いて表せば

 南極を中心とした半径約$${(-(n×2π-2)+\sqrt{(n×2π-2)^2+4×n×2π)})/(2×n×2π)}$$kmの円周上

となる。経路は余白がないので省略する。

*1 20000322 あなたの知らない世界

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