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20000415 亀再び

 妻と二人で新しい亀を採りに行った。先日逃げ出した亀$${^{*1}}$$の代わりを探しに行ったのである。

 自動車を走らせて暫くしたところに大きな池$${^{*2}}$$がある。普段は側の道を通るだけで池を覗いたことはなかった。しかし亀がいそうな池だと日頃から思っていた。

 周囲が網の柵で囲まれている。柵から覗き込むとコンクリートで護岸された池の岸辺で甲羅干しをしていた数十匹のミドリガメ$${^{*3}}$$が一斉に池に飛び込んでいった。野鳥も多く生息しており鴨や鷺も一緒に逃げていった。この時期は去年孵化した子亀がまだ地中から出てきてないのか甲羅が20cm以上ありそうな大きな亀ばかりであった。

 柵を乗り越えて亀が再び岸に上がってくるのをじっと待っていたが、なかなか戻ってこない。そのうちにヌートリア$${^{*4}}$$が草むらから顔を出し、池に飛び込み顔と背中を出して泳ぎだした。ヌートリアを見るのは初めてだった。何十匹の亀が顔を出して浮いている中をヌートリアは泳いでいったが、亀は逃げるでもなく平然としている様子であった。ヌートリアが草食性であることを知っているのだろう。

 池の北の方に行くと用水路が池の堤と並んでいるところがあった。その付近の池の中では大きな$${^{*5}}$$か草魚$${^{*6}}$$がうじゃうじゃいた。本当にうじゃうじゃという感じであった。産卵の時期だったのだろうか。

 用水路は生活排水が流れているようでどぶ川と化していた。ここにも多くの大きな亀が日向ぼっこをしていた。
 すると妻が「あそこに小さい亀がいる」と云った。先日逃げ出した亀は甲羅が6~7cmぐらいだったのと水槽の都合から、なるべく小さな亀を捕まえたかった。
 見るとミドリガメではない。日本固有種のイシガメ$${^{*7}}$$のようである。そこらで拾った柄の短いたも$${^{*8}}$$ですくおうとしたが、柄が短かったので妻が見つけた時は網が亀に届かなかった。
 少しの間、亀を見つめていたら、亀の方からこちらに寄ってきたので簡単に捕まえることができた。捕まえてみると甲羅が12~3cmぐらいで結構大きかった。尻尾が少し切れて短くなっている。子供達に見せるため家に持ち帰った。

 生活排水の流れ込む広々としたどぶ川に棲んでいるのと清浄な水道水の狭い水槽とではどちらが亀にとって幸せなのだろうと思った。しかし人間の都合で環境を変化させているのでどちらが幸せかと考えるのは不遜の極みではある。

 地球にやさしい$${^{*9}}$$を強調するのも同じである。

*1 20000408 亀が消えた
*2 マピオン地図 愛知県刈谷市井ケ谷町付近
*3 アカミミガメ
*4 ヌートリア
*5 コイ
*6 ソウギョ
*7 イシガメ
*8 鮎・タモ網・曳舟
*9 JACOのホームページ

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