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20010910 シーランド公国

 ある雑誌$${^{*1}}$$を読んでいたら、シーランド公国$${^{*2}}$$という国の話が書いてあった。北海の南端、イギリスの海岸から約10kmに位置する。地図上ではここ$${^{*3}}$$である。

 シーランド公国はイギリス軍が第二次世界大戦中に作った要塞跡$${^{*4}}$$に1967年建国された。通貨や切手$${^{*5}}$$も発行しているらしい。

 最近、この国にヘイブンコー社$${^{*6}}$$というデータ管理会社が設立された。色々と問題のあるデジタルデータを保管する場所を提供する会社である。その場所は「独立国家$${^{*7}}$$」であるシーランド公国にあるので他国の法律や権限は及ばない。従って保管してあるデータを他国政府が強制的に公開させることは出来ないことになる。

 それにしても国家というのはどうやってできるものだろうか。古くからある国々は長い歴史の中で何となく出来たのだろう。そして古い国が革命などで近代国家になっていくのは何となく分かるような気がするが、ある日突然近代国家を建設することはどうなのだろう。可能なのだろうか。自分の家を「独立国家」として宣言したらどうなるか。泥棒に入られても警察は取り合ってくれなくなるのかも知れない。買い物をするのにもパスポートが必要になるのだろうか。国家とは一体何なのだろう。

 自分の家を国家と宣言するのは勝手だが、他諸国と対等に付き合おうとするならば、他国家がその共同体社会を「国家」と認めなければならないだろう。そう考えるとシーランド公国$${^{*8}}$$がイギリスから独立した国家と言えるかどうか微妙なところである。1968年にイギリスの裁判所がシーランドはイギリスの領土ではない$${^{*9}}$$、と決めたらしい。元の国家が国の一部でないと言うことが他国が認める建国の第一歩かも知れない。

 一方、国家じゃないと主張している人$${^{*10}}$$もいる。

 シーランド公国の領土があの要塞だけだとすると世界一小さい国はバチカン市国$${^{*11}}$$ではなくなる。雑学クイズで「世界一小さな国は?」と訊かれたらどう答えるべきであろうか。

*1 最先端大人ビジネス情報マガジン【ウルトラサイゾー】
*2 The Principality of Sealand
*3 Principality of Sealand - Fact File
*4 Principality of Sealand, Historical Site through 5 June 2000
*5 Principality of Sealand - Fact File
*6 HavenCo: the free world just milliseconds away
*7 「独立国」を使って「ネット・データ・ヘイブン」を提供(上)
*8 Principality of Sealand
*9 History Of Sealand
*10 Sealand is Not a Country
*11 vaticanバチカン市国

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