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20030507 砂肝

 知人と居酒屋で砂肝$${^{*1}}$$を食べながらこんな話をした。砂肝は一体何なのか、鳥の肝臓なのか。私は「肝」とは言ってもあれは肝臓ではなく「胃」の筈だ、こんなにコリコリするのは胃の筋肉の所為であって肝臓である筈がない、と力説した。それに対して知人は「胃がこんなに分厚いのか」というので、砂肝には実際に砂が入っているから普通の胃では直ぐに破れてしまう、だから分厚くなっている、と説明した。

 知人は「そうかなぁ」と反応した後、どんどん他の話題に移っていった。砂肝の話はこれで終わりとなった。私も砂肝に関して自信があった訳ではない。どこかでそんなようなこと本で読んだことがあっただけだった。

 調べてみると砂肝$${^{*2}}$$とは鳥類の砂嚢の俗称であった。そして砂嚢は胃であった。鳥の胃は二つに分かれていて$${^{*3}}$$口に近い方を前胃(proventriculus)$${^{*4}}$$、その後ろにある方を後胃(gizzard)$${^{*5}}$$と言って、砂肝は後胃のことであった。鳥は歯がないのでこの砂肝に蓄えた砂や小石で食べ物をすり潰して消化するらしい。

 砂肝は肝臓$${^{*6}}$$ではなく鳥の「胃」であった。

*1 砂肝の煮込み
*2 ハングリーハンター すずめの内臓概略
*3 B&H ROOM インコの器官と疾病
*4 Birds in the Classroom Digestion
*5 The Digestive System Digestive Physiology of Birds
*6 山の風景 授業の様子 ニワトリの解剖

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