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20040106 レーダー探知機(3)

 「速度違反取り締まりを事前に知る装置$${^{*1}}$$」の続き。自動車のエンジンをかけると装置は動作し始める。自動車のエンジン動作時に有効になる電源配線から装置用の電源を取っているので、エンジンが動いている間だけ動作する。

 最初にGPS衛星$${^{*2}}$$からの電波を捉え、自分の現在位置を割り出す。それに大体2、3分かかる。自分の位置が判ると、装置は女性の声で「ソクイシマシタ」としゃべる。

 「ソクイ」というとどうしても「即位$${^{*3}}$$」というのが頭に浮かび、機械が「即位しました」なんて何を寝ぼけたことを言っているんだろうと思ってしまう。装置がしゃべる「ソクイ」は「測位」と書く。「測位」とは自分の位置を測ること$${^{*4}}$$を意味している。GPSで作られた言葉だろう。業界内用語である。英語では「positioning」だろうか。そのままの「ポジショニング」よりは「測位」と言った方がいいと思うが、「即位」と言う既存の言葉と音が重なってしまったのはまずかった。新しい言葉を作らなくても「定位$${^{*5}}$$」でよかったのではなかろうか。装置がしゃべるなら「テイイサレマシタ」だろう。

 衛星の電波が届かない場所に来ると警告を発する。自分の位置が測定できなくなるので、運転している自動車の近くに自動速度違反取締装置$${^{*6}}$$が設置してあっても知らせられない。この警告も女性の声で「GPS受信できません」としゃべる。電波が受信できるようになると「GPSを受信しました」と言う。

 これも違和感がある。「~○○できない」という言い回しが気になる。「~が○○できない」とはいうが、「~○○できない」とはあまり言わない。

 「GPSを受信」という文句を共通化して内蔵された音声メモリの使用量を節約したかったのかもしれない。音声の「GPSを受信」の部分を共通にすれば、後の「できません」「しました」を変えるだけでいい。

 そういう事情ならば「GPSを受信していません」「GPSを受信しました」とすればいいだろう。これなら違和感はない。

*1 20040105 レーダー探知機(2)
*2 20000420 GPS
*3 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 即位
*4 新衛星ビジネス株式会社
*5 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 定位
*6 Google 検索: オービス

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