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20000502 天網恢々

天網恢々、疎而不失$${^{*1}}$$。天網は恢々として、疎にして失わず。天網恢々、疎而不漏と書いたところ$${^{*2}}$$もあるが、諸橋轍次$${^{*3}}$$の著書$${^{*4}}$$では天網恢々、疎而不失としているので、これでいく。

 この天の網というのを何となく上空に張り巡らされた網をずっと想像していた。六角形の網の目になっていて雲の上にあるような感覚だった。読んで字の如く「天上の網」だと思っていた。

 映画Terminator$${^{*5}}$$にSkynet$${^{*6}}$$というコンピュータが出てきたとき「天網」を思い出した。偶然であると思うが、Skynetの機能と天網の機能はなんとなく似通っている。Skynetは高度に発達したコンピューターのことで人格を持ったシステムという設定である。そしてあるきっかけでSkynetと人類との戦争が勃発したというのが映画の背景である。
 天網は全然見えないからスカスカの網だと思いがちだが、何事も全部もらさない網である。だから長い目で見れば善人は幸福になり、悪人は必ず不幸になる。人類を絶滅させようとして人類の行動を全て把握しようとするSkynetとよく似ているではないか。
 おそらくSkynetを使って国防システムを構築しているという設定からして、internet$${^{*7}}$$から作った言葉であろう。

 この文を書くに当たって天網を調べてみたら、天網とは天にある網ではなく、天の網、即ち宇宙万物の神の網といった意味だと言うことを知った。ということは天網は空にある必然性はなく身の回りそこら中にあることになる。

 そうなるとますますSkynetに近くなる。本当に天網とSkynetとの類似性は偶然だろうか。

*1 温故知新
*2 『天網恢恢』題名の由来
*3 19990804 諸橋大漢和
*4 中国古典名言事典
*5 The Terminator Movies ('Terminator' and 'Terminator 2: Judgment day')
*6 Countdown to Skynet
*7 History of Internet

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