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20000413 四字熟語

 学生時代に四字熟語$${^{*1}}$$クイズが流行った。例えばこんなものである。

 □通安□    答え「交通安全」

 という具合に日常生活で出会す四字熟語を探して二文字を四角で伏せて、元の熟語を当てるゲームである。一般に言われる四字熟語でもよい。「一□一□」と出題したならば、出題者の答えが「一期一会」のつもりでも「一朝一夕」「一日一善」「一喜一憂」どれでも正解になって出題者の負けとなった。

 出題者は出題に結構苦労する。まず四字熟語を思い出さなければならない。「携帯電話」を思いついたとする。すると伏せる字は、例えば最初の「携」と3番目の「電」にして「□帯□話」と紙に書いて回答者に見せる。

 しかし「帯」と「話」の漢字を見ればすぐ「携帯電話」というのが頭に浮かんでくる。これでは出題者の負けである。回答者の苦悶する姿を楽しむことが全くできない。従ってどのような四字熟語を選ぶかが要となる。なるべく訓読みのものがいい。四字熟語は大抵音読みなので訓読みが含まれると分かりにくくなる。更に熟字訓$${^{*2}}$$だと分かりにくくなる。熟字訓が含まれていても安心はしていられない。

 「□国為□」は一瞬「国事行為」かと思うが、すぐに「外国為替」だと気付く。

 また難しければ何でもいいというものでもない。「里□□美」と出題して、その答えと言えば「里仁為美$${^{*3}}$$」だと言っても殆どの人は聞いたことがないというはずだ。この様なときも出題者の負けとなる。人名や地名でもいいが回答者が答えられなくて降参して、出題者から正答を聞かされた時、その意外さと分からなかった悔しさを覚えるものでないと面白くない。隣の家のハゲ親父の名前「狭間 健治$${^{*4}}$$」で問題を作っても駄目である。

 また四字熟語の構成は大抵「二字熟語+二字熟語」か「一字+一字+一字+一字」なので、「三字熟語+一字」もしくは「一字+三字熟語」を探し出して二文字を伏せられると分からなくなるかもしれない。しかしそんな四字熟語は殆どない。「御御御付(おみおつけ)」「施餓鬼会(せがきえ)$${^{*5}}$$」などを辛うじて見つけることができた。でも厳密に言うとちょっと違う。

 当時、秀逸と言われた問題がこれである。

 □頭□頭
 □業□文
 大□□者

すぐに解るだろうか。

*1 Yoji Jukugo
*2 難読・あて字・熟字訓の辞典
*3 子曰、里仁為美、択不処仁、焉得知
*4 20000307 間 健治
*5 施餓鬼会(せがきえ)ってなに?

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