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20050428 正規分布

 同じ物を繰り返し測定した時に得られる測定値は、うまく測ったつもりでもどうしてもばらついてしまう。繰り返し測定した結果を平均すると、それまで測定した結果は、その平均値を中心としてその前後に同じ様なばらつきになっていることが分かる。繰り返しの回数を増やせば増やすほどこの傾向は明確になってくる。

 こういったばらつきを正規分布$${^{*1}}$$という。正規分布は数式で表現$${^{*2}}$$することができる。この式は数学者のガウス$${^{*3}}$$が創案したと言われている。多量の天文観測値の誤差処理に苦心している時に思い付いたらしい。正規分布はガウス分布$${^{*4}}$$とも言われる。

 正規分布というのは測定値だけではなく、同一年齢で同性の集団の身長、全校生徒の一ヶ月のこづかい金額$${^{*5}}$$など自然現象や社会現象において、この分布が見られることが多い。

 そういった自然や社会にかかわる現象を記述している数式なのにどうして式の中$${^{*6}}$$に「π$${^{*7}}$$」が出てくるのだろう。πは円周率のことである。円周率は円周の長さを直径で割った比率である。それがどうして身長やこづかいの分布に関連してくるのか。しかも平方根になっていて更に分母に来ている。複雑すぎる。

 web上を調べてみると、自分と同じようにこういった疑問を持った人がいた。この人は疑問を持っただけでなく、疑問も解決している$${^{*8}}$$。正規分布の式は確率の分布を表しているので数式で描かれる図形の面積は「1」$${^{*9}}$$にならなければならない。式の中でexp(・・・)の部分だけを取り出して面積を求めると$${\sqrt{2π}}$$になるので、それを「1」にするために$${\sqrt{2π}}$$で除しているわけである。exp(・・・)部分の面積を求めるのに積分を行う$${^{*10}}$$。この時、直交座標から極座標に変換$${^{*11}}$$する。すると「π」が出てくる。「極」だから円周に関わっている。だから円周率が数値として出てきても不思議ではなかった。

*1 正規分布(ガウス分布)つづき
*2 正規分布
*3 ガウスとは - コトバンク
*4 正規分布(ガウス分布)
*5 How to 統計
*6 正規分布
*7 20000108 πの彼方
*8 ガウス積分の公式の2通りの証明 | 高校数学の美しい物語
*9 確率分布を誰でも理解できるようにわかりやすく解説 | HEADBOOST
*10 f(x)=exp(-x^2) の積分、正規分布、ガウス分布、ヤコビアン - NetFinance -
*11 変数変換(change of variables)

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