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20000914 善行三昧

 電車$${^{*1}}$$に乗ったら、三人の男子高校生が携帯電話をお互いに比べあったりして何か話していた。三人のうち一人は座席に座っていたが、あとの二人は電車の床に直に座っていた。座席はちらほら空いているのだが、座席に座ると三人が顔を合わせて喋ることが出来なかったからであろう。

 私の感覚では地面に直に座ることにはどうしても抵抗があり、これを抵抗なくやっている人を見ると何となく気分が良くない。彼らは電車の床に直に座っているだけで他人に迷惑を掛けていないので、全く問題がないはずであるが、自分の価値観と大いに食い違う人間に出くわすと平静を保つのは難しい。

 とはいうものの地面に直に座る人はかなり増えてきたので、このことに対して慣れてきた。もしかしたら自分も無意識に普段着の時はやっているかも知れない。

 電車が次の駅のホームに入り停車しようとしたとき、車内で空き缶がカラカラと甲高い音を立てながら転がりだした。すると件の高校生の一人が「だれだぁ、缶を放かってく奴は(だれだ、缶を捨てていく奴は)」といいながら、転がる缶を拾い電車を降りてホームに設置してある分別ごみ箱の空き缶入れにその缶を入れた。

 新聞の投書みたいな記事になってしまったが、この時、自分との価値観が違うというだけで相手を勝手にあれこれ判断している自分を恥じた。ただ、そう判断したからこそ余計に彼の行動に対し感動できたのも事実である。それに意外性を出すためにわざと上記のような行動をする場合もあろう。何れにしろ行為自体は善いことであったので問題は全くない。

 そう言えば、ほりのぶゆき$${^{*2}}$$の「不埒な善行三昧$${^{*3}}$$」という闇の三善人が登場する漫画があったが、何となくそれの感覚にも似ている。

*1 名鉄バーチャルタウン
*2 竹書房・出版物情報(4コマまんが)
*3 mononofu00.jpg

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