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20000128 赤道

 赤道$${^{*1}}$$というものがある。青道というものもある。それぞれ「あかみち」「あおみち」と読む。

 赤道(せきどう)$${^{*2}}$$、黄道(こうどう)$${^{*3}}$$、白道(はくどう)$${^{*4}}$$と音読みすれば天文分野になるが、訓読みだと地上の「道」のことになる。赤道や青道は俗称で正しくは「国に所有権または都道府県に管理権がある法定外公共道路」のことらしい。青道の場合、道ではなく公共の水路のことである。簡単に言えば赤道は国道、都道府県道、市町村道でもなく、かといって私道でもない道である。  

 その赤道の真上に家を建ててしまっている人が結構いるらしい。道の上に家を建てるのは法律上の問題はともかく、心情的になかなか出来るものではないと思う。もともと獣道みたいなものだから宅地の開発や造成の途中で道の存在があやふやになってしまったのだろう。法定外ということで関係者以外知られることもなく道自体が無くなってしまい、そのまま売られてしまったのかもしれない。
 この話題を提供して頂いたある読者によれば、赤道が家のど真ん中を通っている家が近所にあるらしい。赤道は国や地方公共団体の持ち物なので、その家は赤道の部分の返還を迫られているのだ。  

 しかし問題はそれだけではない。道そのものはなくなっても古くからある道なので道の「気」だけは残っているようなのだ。毎年八月十日の夜、家の中の赤道を小人の葵祭$${^{*5}}$$の行列が通るらしい。背丈が10cmぐらいの牛車を伴った全長1m程度の行列だという。家の壁からふっと現れ、赤道に沿って歩き、反対側の壁に消えていくというのだ。丁度、少し小さ目の雛人形の行列といったところか。
 そこの家の人は毎年のその日の夜が恐ろしくて眠れないらしい。

*1 赤道(あかみち)
*2 帝国書院
*3 黄道と白道
*4 黄道と白道
*5 葵祭

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