見出し画像

20010129 貨幣の品位

 現在発行されている貨幣は500円ニッケル黄銅貨幣、100円白銅貨幣、50円白銅貨幣、10円青銅貨幣、5円黄銅貨幣、1円アルミニウム貨幣の6種類である。これらにはそれぞれ製造年が刻印されている。なぜ刻印してあるのか。

 明治以降に発行された金貨や銀貨の品位をはっきりさせるために製造年が入れられていたのが、記念硬貨以外の金貨銀貨を製造しなくなった現在でもその慣行が残っている為だという。

 確かに現在の硬貨$${^{*1}}$$には、貴金属が配合されていないので品位を明確にする必要はあまりないだろう。それぞれの硬貨の金属の配合の割合はどうなっているのだろう。500円玉は銅72%亜鉛20%ニッケル8%、100円玉と50円玉は銅75%ニッケル25%、1円玉はアルミニウム100%である。これらの割合は法律で決められている$${^{*2}}$$。正確には政令で決めると法律で決められている。

 疑問なのは10円玉と5円玉である。財務省造幣局$${^{*3}}$$の現在製造している貨幣のページ$${^{*1}}$$を見るとそれぞれの品位が10円玉は銅95%亜鉛4~3%すず1~2%、5円玉は銅60~70%、亜鉛40~30%になっている。配合の割合に幅があるのだ。一瞬、幅があると重さが変わってしまうのではないかと思ったが、これは少しぐらいなら調整できるだろう。配合の割合が変化すると、重さを一定にした時は体積が変化してしまうが、厚みを設計公差範囲内で変えてやれば対応できるのかもしれない。

 それにしても何故、幅があるのか。何のためか。

*1 現在製造している貨幣
*2 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
*3 Mint Menu

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?