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20000228 魚の墜落死

 家で飼っていたブルーギル$${^{*1}}$$が死んだ。死因は墜落である。団地の4階から落ちて、下の駐車場のアスファルトにたたきつけられた。

 水槽はベランダに置いてあった。水槽にかなり藻が繁茂してきたので掃除してやろうと思い、ブルーギルを手ですくった。

 このブルーギルはいつも水槽の同じ位置にいた。丁度水槽の角で頭を壁に向けて水中にとどまっていた。他の魚が近寄るといつも鼻先でつついて追い返していた。

 最初は手ですくっても暫くは大人しくしていた。次の瞬間、ブルーギルが跳ねた。大人しくしていると思ったので手でしっかり持っていなかったのだ。ブルーギルは手から飛び出し、ベランダの端で一度弾んでから、落下していった。
 ブルーギルは体をくねくねさせながら落下していった。地面に到達すると、そこでピチピチと跳ねている。すぐさま拾いに階段を駆け下りた。

 既に動かなくなっていた。外傷は全くなかった。しかし手にしてよく見ると口からはほんの少し血が出ている。口やヒレをわずかに動かしていた。まだ助かるかも知れない。すぐ戻って水槽に戻したが、苦しそうに鰓蓋と胸ヒレを動かして横になって浮いているだけだ。

 見ていると糞をしだした。瀕死の状態で肛門が緩んできたのだろうか。人間を含めた動物の最後は皆同じ様なものなのか。

 その水槽では何種類かの水棲生物を飼っている。ブルーギルの亡骸は恐らく同居の亀$${^{*2}}$$が弔ってくれるだろう。

*1 ブル-ギル Lepomis macrobirus
*2 19991007 亀の鼻提灯 (2)

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