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20020103 電源周波数

 日本国内では西日本と東日本ではそれぞれ60Hzと50Hzとで家庭用の電源周波数が違っている。この原因は明治、大正時代の電力事業の黎明期に各電力会社が色々な発電機を輸入して電力の供給を行っていたためである。当時の電力会社は現在のように9社だけ$${^{*1}}$$ではなく、各都市に設立された。太平洋戦争への突入をきっかけとした電力の国家管理状態を経て$${^{*2}}$$現在の体制になった。

 黎明期の家庭用の電気はガス灯に対する電灯の利用法ぐらいしかなかったので交流の周波数など50Hzだろうが60Hzだろうがどうでもよかった。そのうちに家庭でもモーターなどを回すようになり、気になりだしてきた。周波数を統一する動きも何度かあったらしいが、莫大な費用がかかるということとそれ程深刻ではないということで現在も東西で分かれている。

 このように国内で周波数が2種類あるのは日本の他にどこがあるのだろうか。世界の電源周波数の一覧表$${^{*3}}$$を見ると国内で周波数が違う地域があるところが見つからない。この表$${^{*4}}$$にもない。ここ$${^{*5}}$$にもない。

 この一覧表$${^{*6}}$$にはあった。それにしてもどうして世界には50Hzと60Hzしかないのだろうか。もっと他の周波数があってもいいような気がする。だいたい何故50とか60と言う数字なのだろうか。60Hzは何となく時計の六十進法の延長のような気がしないでもない。50Hzというの切りがいいと言えば切りのいい数字である。100Hzでもよさそうだが、その半分の50Hz。一体どういう意味があるのだろうか。

 一覧表を見ると世界には50Hzと60Hzしかないような感じだが、かつてアメリカで電力事業が産声を上げてからその発展の途中で電源周波数も変化していったらしい。その周波数の種類は25、50、60、100、125、133Hzと雑多であり、現在でもアメリカではこの様な周波数で送電されている地域があるようだ。ニューヨーク市の一部では直流で配電されている地域もあるそうである。

 エジソンが電球を発明した時は直流で光らせていた。エジソンの電灯会社$${^{*7}}$$では初期は直流を配電していた。しかし交流に比べ直流は送配電において使い勝手が悪い$${^{*8}}$$ので世界中の電力の送配電は交流方式で広まっていった。その中で未だに家庭用で直流配電が行われている地域があるというのは驚異である。

*1 電気・電力辞典「電力設備」東西で異なる周波数(図)
*2 創立五十周年と電力自由化 北海道電力株式会社取締役社長 南山英雄
*3 世界の代表的な国と地域の電源プラグ
*4 世界の電圧・電源プラグ
*5 世界の電源事情
*6 Spur 世界の電源事情
*7 GE Home page - We bring good things to life
*8 20000626 テスラ

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