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20030520 年収100万円で楽しく幸せに生活する方法

 「年収100万円で楽しく幸せに生活する本 $${^{*1}}$$」という題名の本を読んだ。書店で見かけて、その題名に惹かれて、衝動的に買ってしまった。

 年間百万円の収入だけで暮らせることが出来れば、こんないいことはない。一体どんな知恵や方法が書かれているのだろう。わくわくしながら読み始めた。

 なんとも支離滅裂というか、ただ一般的に言われている様々な経費節約法が羅列してあるだけで、それらを実行することがどうして「楽しく幸せ」なのか全く伝わってこない。そしてそれらの方法がどうのように年収百万円に関連するかも解りにくい。更に最後の方に書かれている年収百万円で生活する具体的方法というのが、殆ど実現不可能な内容なのである。

 この本では失業などで今までの収入が三分の一以下になってしまうのを想定して書かれているらしい。前書きに、年齢40歳、年収700万円、妻一人、子供二人、住宅ローン残高3000万円の人に特に読んで欲しいとある。この本の著者の年齢が大体40歳だからだろう。ただし、独身のようである。

 年収百万円で暮らすとは、単純に計算すれば月々8万円程度で暮らすと言うことである。上記の条件の場合、普通の考え方では不可能だ。そのためのどうするかというとローンを解消し、離婚して親の家か家賃3万円のアパートに住むというのが結論であった。この本には書いてなかったが、男性の場合、慰謝料や養育費を払って年収百万で暮らすためには、それまで年収が税込み3000万円ぐらいないと駄目なようだ。

 本の著者は公認会計士で税理士である。将来、年収百万円で生活することのない人でろう。そんな人が書いた本を題名だけを見て買ってしまった私の負けである。本の題名だけで衝動買いをするような人は将来迫り来る年収百万円での生活を心配しなければならず、そんな不安のない人はこの本を買うことはない。この本を買うべくして買っているのである。そういった意味では本当に巧く考えられた本の題名である。

 この本は1年間で10刷もしている。結構売れているのである。結局、「年収100万円で楽しく幸せに生活する本」で楽しく幸せに生活するのは、この本の著者であった。ああ、くやしい。

*1 年収100万円で楽しく幸せに生活する本

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