見出し画像

20020705 メタアルデヒド

 ナメクジ駆除関連$${^{*1}}$$が続く。ナメクジ駆除剤のメタアルデヒド$${^{*2}}$$とは一体どんなものか。

分子式を調べると$${\mathrm{(CH_3CHO)_n}}$$と書いてある$${^{*3}}$$ところがある。$${\mathrm{CH_3CHO}}$$はアセトアルデヒド$${^{*4}}$$だからやはりこれがナメクジを誘っているのだろう。

 しかし$${\mathrm{CH_3CHO}}$$という分子の構造はメチル基$${^{*5}}$$が一つだけくっついたアルデヒド$${^{*6}}$$なので、これがこのままどのように重合$${^{*7}}$$して$${\mathrm{(CH_3CHO)_n}}$$になるのか直ぐに判らなかった。

 国際的な命名法$${^{*8}}$$で2,4,6,8-tetramethyl-1,3,5,7-tetraoxacyclo-octane$${^{*9}}$$となっているので、この名前から構造を理解しようとした$${^{*10}}$$が、どうもよく判らない。

 色々さんざん調べてようやくメタアルデヒドの構造が判ってきた。酸素原子と炭素原子とが交互に結合して輪$${^{*11}}$$を作っている。そして輪を作っている炭素原子にメチル基が付いている。国際名の中の「cyclo$${^{*12}}$$」というのは「circle円」という意味だからベンゼン環$${^{*13}}$$みたいになっているところまでは判ったが、酸素原子が炭素原子の間に入っているというのは判らなかった。

 アルデヒドの基本形と何か違うような気がするが、輪を作る炭素原子に酸素原子の結合がどちらも2本になっているので毒として作用するときの化学反応は殆ど同じなのかもしれない。$${\mathrm{(CH_3CHO)_n}}$$と言う表記になっているので、上の例では$${n=4}$$だが、$${n=2}$$、$${n=3}$$、$${n=5}$$でも出来そうである。実際はどうなのだろう。

 一つの分子で四つ分のアセトアルデヒド$${^{*14}}$$があるような物だからナメクジにとって強力な誘引剤であり、毒物なのであろう。当然、人間にとっても毒$${^{*15}}$$である。

*1 20020704 ナメクジ(2)
*2 なめくじ駆除剤(メタアルデヒド)
*3 検知管リスト メ
*4 MSDS:アセトアルデヒド
*5 メタンとメチル基
*6 アルデヒドの許容慣用名
*7 プラスチック材料はどのように生成するか
*8 はじめに-IUPACとCAS
*9 metaldehyde data sheet
*10 Nomenclator's HomePage-化合物命名法談義-
*11 Metaldehyde 108-62-3 | 東京化成工業株式会社
*12 cyclo-. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*13 20020319 フラーレン
*14 Acetaldehyde
*15 (S)殺虫剤

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?