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20001006 シャチハタ印

 数年前に激安印鑑$${^{*1}}$$の新聞広告を見て通信販売で住所ゴム印$${^{*2}}$$を買ったことがあった。それ以来半年に一回ぐらいの割で印鑑の広告郵便が手元に届く。先日それを見ていたら面白い印鑑があった。

 TWINシリーズ$${^{*3}}$$という印鑑で一方には浸透印、他方には認印という構成の印鑑である。浸透印とは一般にシャチハタ$${^{*}4}$$印と呼ばれているもので、印面$${^{*5}}$$部分が浸透性の材質で出来ていてそこからインクがしみだしてくるのでいちいち朱肉$${^{*6}}$$やスタンプ台$${^{*7}}$$を使わなくても印が押せるものである。シャチハタは名古屋にある会社の名前なのだが、ほぼ一般名詞として使われる。

 そのシャチハタ印と普通の認印を組み合わせた商品は一体どんな意味があるのか。朱肉を使わずに押せるシャチハタ印に朱肉が必要な普通の印鑑を組み合わせる事自体、機能の冗長ではないか、と思いたくなる。
 元々シャチハタ印は朱肉と印鑑を併せて持ち歩く必要のないところが受けて普及した。それを朱肉を常に必要とする普通の印鑑と組み合わせて商品化するのはかなり勇気がいるのではないか。

 ところが、印鑑を必要とする場面で「シャチハタ印不可$${^{*8}}$$」というのにしばしば出くわす。このような場面に円滑に対応するためには常に普通の認印とシャチハタ印の2本を持ち歩くのは誠に 不便である様な気がする。そんな場面に対応した商品である。
 普通の認印を要求するところでは大抵朱肉が設置してあるので、結局、朱肉を持ち歩く必要はない。従ってこれ一本で全てのビジネス局面に対応が出来る。でも、要らない。

*1 全日本印章業組合連合会
*2 【楽天市場】スタンプ工房デジはん
*3 2003年5月現在 株式会社 古山雄栄堂のサイトは消失
*4 Shachihata
*5 手彫り印鑑のできるまで
*6 練り朱肉
*7 shachihataスタンプ台
*8 はんこ・印鑑の種類について/はんこ印鑑のインプレススクエア

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