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20030111 マグリットと囲碁

 マグリット$${^{*1}}$$というと海の上空に浮く巨大な岩の絵$${^{*2}}$$とか、森の中で乗馬をする貴婦人の絵$${^{*3}}$$とか、飛び立とうとしている巨大な鳩の影が雲の浮かんだ青空になっている絵$${^{*4}}$$とか、これはパイプではないと解説されたパイプの絵$${^{*5}}$$などで有名なベルギーの画家$${^{*6}}$$である。

 こんな絵$${^{*7}}$$を見つけた。頭をびしっと整えて背広を着た画家がチェス盤の上の駒を見ながらキャンバスに色を付けている。しかしそのキャンバスに描かれているのは碁盤と白黒の碁石である。

 描かれている画家はマグリット本人$${^{*8}}$$である。駄洒落に近い絵だ。「これはパイプではない$${^{*9}}$$」とそんなに違いはないかもしれないが、「チェスと囲碁」の方が駄洒落度合いが高い。

 どうも気になるので、マグリット$${^{*10}}$$の作品をいろいろ見ていたら、この絵$${^{*11}}$$があった。卵を見ながら鳩の絵を描いているマグリットの自画像である。「チェスと囲碁」はこの絵のパロディーだったのだ。どうしてチェスが囲碁になるのかを考えてみるとチェス盤の市松模様が囲碁を連想させたのではないだろうか。しかしパロディーの作者が西洋人ならば、チェスからは「チェッカーcheckers$${^{*12}}$$」ではないだろうか。同様な絵がもう一つ$${^{*13}}$$あった。盤面は全く同じである。マグリットと囲碁とは何か深い関係$${^{*14}}$$があるのだろうか。

 ついでにこういう写真も見つけた$${^{*15}}$$。マグリットが卵を見ながら鳩の絵を描く自画像を、その描かれている自画像と同じ構図でキャンバスに向かっているマグリットを写した写真である。

*1 ルネ・マグリット
*2 Castle in the Pyrenees,1959
*3 CGFA- Magritte: The Blank Check
*4 new_lagrandefamiglia.jpg
*5 ART 212 STUDY PRINTS
*6 Rene Magritte - Art Images - OCAIW [Orazio Centaro's Art Images on the Web]
*7 ???? (C) A. Borrel
*8 Masters of Photography: Lothar Wolleh
*9 E-Ethics Vol. I, No. VI.
*10 Welcome to the Magritte Site
*11 La Clairvoyance, 1936 by Rene Magritte
*12 オトナのゲーム専科
*13 Magritte
*14 European Go Federation
*15 VCS - Exsikkator / November 1998 - Magritte

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