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20050126 GUCCI

 日本語をローマ字表記$${^{*1}}$$する時は、大抵、ヘボン式か訓令式を使う。ヘボン式$${^{*2}}$$とは美国ヘボン先生$${^{*3}}$$が考案した日本語のローマ字表記方法で、「cha(ちゃ)」「jo(じょ)」といった書き方である。バ行、パ行、マ行の前の「ン」は「m」を使う。例えば神田神保町$${^{*4}}$$は「Kandajimbouchou」になる。「b」「p」「m」は唇を閉じてから発音するので、その前に発音される「ン」の音が唇を閉じて発音する「m」に聞こえたからであろう。詰まる音$${^{*5}}$$は最初の子音を重ねて表す。ただし「cha」「chi」「chu」「che」「cho」の前の場合は「c」ではなく「t」を付ける。

訓令式$${^{*6}}$$はヘボン式と違って英語の発音を模した表記ではない。「tya(ちゃ)」「zyo(じょ)」といった具合になる。長音には母音の上に「^」を添える。「ン」は必ず「n」で表す。詰まる音は最初の子音を重ねて表す。特別な事情がない限り「ch-」の表記は使わない。

 「Sacchan$${^{*7}}$$(さっちゃん)」「Tacchi$${^{*8}}$$(タッチ)」などという日本語のローマ字表記を時々見かける。これはヘボン式でも訓令式でも間違った表記になる。前者なら「Satchan」「Tatchi」、後者なら「Sattyan」「Tatti」である。

 欧米人が「Sacchan」「Tacchi」といった綴りを見て「さっちゃん」「タッチ」と発音できるだろうか。日常に英語を使っている人はちゃんと読めないだろう。

 イタリア人はどうか。読めそうな気がする。何故ならばイタリアには「GUCCI$${^{*9}}$$」があるからだ。イタリア人はこれを「グッチ$${^{*10}}$$」と読んでいるはずだから、ちゃんと詰まった音で読んでくれるだろう。

 本当にイタリア語で「GUCCI」は「グッチ」と読むのだろうか。「グチ」ではないだろうか。心配になってきた。

英語$${^{*11}}$$だと「グーチ$${^{*12}}$$」と聞こえる。イタリア語$${^{*13}}$$はどうか。はっきり「グッチ$${^{*14}}$$」と言っている。

*1 19991102 ローマ字
*2 ヘボン式ローマ字一覧表
*3 和英語林集成
*4 東京都千代田区神田神保町2丁目 付近地図
*5 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書: 促音
*6 内閣告示第一号 ローマ字のつづり方
*7 Google 検索: Sacchan
*8 Google 検索: Tacchi タッチ
*9 20020608 ガリレイ・ガリレイ
*10 gucci
*11 Audio - fashion designer name pronunciation
*12 How to pronounce Gucci | HowToPronounce.com
*13 OGGI E DOMANI INTERACTIVE ITALIAN LANGUAGE COURSE FOR THE INTERNET
*14 gucci.mp3

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